という会に参加してきました
#StartupAsia Tokyo 2014 Day2: 日本のスタートアップ・シーンはバブルか? - THE BRIDGE(ザ・ブリッジ)
Startup Asia Tokyoというイベントに参加させていただきました。テーマは「日本のスタートアップ・シーンはバブルか?」です。なんという発言しづらい題材!
時間が短く、また他の登壇の人たちが素晴らしすぎたのもあり、全然発言できなかったこともあり、せっかくなのでブログで書いてみたいと思います。
基礎知識
まず、本題に入る前に、スタートアップシーンがバブルってどういうこと?という人のために、簡単に説明を書いておきます。
これは、どういうことかというと、今のスタートアップ系のベンチャーは、バリエーション(時価総額)が高いと言われています。
「上場していないのに時価総額ってどういうこと?」と思うかもしれませんが、IT系のベンチャーは、先に投資を集めて、そのお金で人材を集めサービスをよくし、ユーザーを集めて、マネタイズをするという流れが多いわけです。銀行などから借り入れするという手もありますが、一般的なのは、ベンチャーキャピタル(VC)から、お金を投資してもらう、という形です。
お金を投資するとは、要は「1億を出資して、株式の10%をもらう」みたいなイメージです。バリエーション(時価総額)とは、要は会社の価値、価格のことと思ってもらえればよいです。PRE、POSTという、投資前とあとでのバリエーションの話もありますが、簡単に言うと「1億で20%だと、バリエーションは5億」「1億で10%だと、バリエーションは10億」みたいな話です。
価値の出し方は、DCF法とか、いろいろあるんですが、ここではおいときます。ベンチャーの場合、将来価値がどうなるかの予測がかなり難しいことから、めちゃくちゃ乱暴にいうと、「その価格で投資したい!」と投資家が思えば、その価値になります。
ここまでが基礎知識です。きちんと説明しようとすると煩雑になるのでかなり乱暴ですが、、
日本のスタートアップはバブルなの?
というわけで、最初のイベントの質問に戻りますが、日本のスタートアップシーンはバブルなのか?という質問に関しては、どうなんでしょうか。
たとえば、スマートニュースさんというサービスがあります。スマホでニュースが読めるイケてるサービスなんですが、最近36億円調達しました。
スマートニュースがグリー、Atomico、ミクシィなどから約36億円の資金調達
36億円というのは、現在の日本のスタートアップシーンでは、かなり高額です。というのも、36億も調達するとしたら、当然時価総額も高いわけです。時価総額が50億とかだと、半数以上を獲得されちゃうので、資本政策としては今後やりづらくなるので、結構高いんじゃないか?と予測されています。
たとえば、2010年にnanapiが3.3億調達したときに、「多い」と言われたのですね。
それが4年で、10億を超える調達が珍しくなくなり、売上が一切ないスタートアップが、30億を超える調達もでてきているというのは、「バブルじゃないか」と思う人がいてもおかしくありません。
で、なんでそんなことがおきているかというと、政府のお金が入っているから、というのが、頭のいい人たちがいってたことです。
バブルの定義にもよるが、スタートアップのバリュエーションが適正価格よりも高くなっているという点では、バブルだと思う。しかし、(起業を活性化させようという)国策の意向が反映されて、産業革新機構をはじめとするところから、市場にお金が流れて来ているからだ。これは国策としては正しいと思う。(IVP 小林氏)
なるほどなあ。
前提から考えないと!
というわけで、バブルなの?どうなの?という話はあるものの、あまり詳しくない僕が私見を述べるとですね。
- 普通に日本だけを対象にしたベンチャーだと、IPO時やM&Aで1000億を超えるケースはかなり少ない
- 上場時のマザーズの平均価格などを考えると、やはり100億くらいでIPOが通常的
- 日本だけを対象にしていると、平均値は100億くらいになる気はする
- 世界を対象にして、平均値を500億とかにしないと、今の企業価値の価格感には合わない?
と思っています。1000億以上になったGREEとかはやはり別格であり、上場後に確実に数字を達成して株価をあげているクックパッドとかは非常に素晴らしいのですが、やはり二社ともグローバルに向けて順調に拡大しています。
gumiなどの、上場前に、プライベートで大型ファイナンスをしているスタートアップもやはりグローバル前提です。
となると、今の高めのバリエーションで調達するITベンチャーたちは、
- 日本だけでもめちゃくちゃ市場がでかいところ
- 海外企業が入りづらいところ
でない限り、グローバルで勝負をしないといけなくなっているのかなあ、という気はしています。つまりは、Web上だけのソフトウェア的なサービスだと、ほぼグローバル前提なのかなと
(上記の2つを満たす例としては、印刷ベンチャーのラクスルや、お弁当のスターフェスティバルとかになると思っており、この2社も大型には調達しているものの、アップサイドを考えると不適切ではないと思ってたり)。
というわけで、この状態を「バブルだった」とさせないためにも、投資を受けているスタートアップの僕らは、グローバルまで見据えて、大きなビジネスにしないといけないなーと思っています。
がんばろう。。