【パリ=竹内康雄】フランスの製薬大手サノフィは3日、デング熱を予防する世界初のワクチンについて、臨床試験で効果が確認されたと発表した。デング熱は熱帯地域を中心に年間1億人が発症する感染症。サノフィは2015年の実用化をめざす。
サノフィが中南米の9~16歳の子供2万1000人にワクチンを試したところ、感染リスクが60.8%減少したことが確認された。重症化して入院するリスクは80.3%減ったという。サノフィは20年以上にわたってデング熱のワクチン開発に取り組んでいる。
デング熱は東南アジアや中南米など亜熱帯から熱帯地方で流行。蚊が媒介するウイルス性の熱病で、人から人には感染しない。感染しても重篤化するケースは多くない。3~7日の潜伏期間の後に38~40度の高熱が出る症状で、今のところ特効薬はない。日本でも8月に69年ぶりに感染が確認された。
サノフィ、デング熱、ワクチン、デング熱予防