ライスティング=玉川透
2014年9月5日08時33分
宇宙人のメッセージか、超常現象か。ドイツ南部の麦畑に今夏、巨大なミステリーサークルがこつぜんと姿を現した。未知なるパワーの「信奉者」がわんさか詰めかけ、のどかな田園はお祭り騒ぎに。そんな様子を、地元の住民たちは冷ややかに見つめていた。
■直径75m、麦畑に一晩で
ドイツ南部ミュンヘンから西へ車で約1時間のライスティング村。黄金色の穂が垂れる麦畑の一角に、数百人もの人だかりができていた。乾いた音をたてて上空を旋回するメディアのヘリコプター。人々の視線の先にあるのは、直径約75メートルの巨大な幾何学模様だ。
発見されたのは7月18日。熱気球で上空を飛んだ人が偶然、見つけた。コンパスで描いたような大型の円の中に、三つの円を重ねた複雑な模様が浮かび上がる。地元の人々の話を総合すると、同17日夕に近くの農家が通りかかった時は「何もなかった」。17日夜から18日未明の間に「出現」したとみられる。
この畑で農業を営むクリストフ・フットナーさん(43)は困惑するばかりだ。倒れた麦の損害は2千ユーロ(約27万円)ほど。見物人が多くて収穫もままならない。「それにしても、よくできている。短時間でどうやって……」
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