【阪神】和田監督、誕生日祝う“神”がかり劇勝サヨナラ

2014年9月3日6時0分  スポーツ報知
  • 逆転サヨナラ打の今成(中)はナインから大量の水攻めにあう

 ◆阪神4x―3DeNA(2日・甲子園)

 タイミングは微妙だった。和田監督は身を乗り出し、本塁上を凝視した。1点を追う9回1死満塁。今成の左前打で三塁から坂が生還し、二塁走者のマートンも逆転のホームを狙った。「足が入ったように、ベンチから見えた」。相手捕手・黒羽根のタッチをかいくぐり、土壇場での逆転サヨナラ勝ち。自身の記念日に劇的勝利を収め「最後は神懸かっていたな」と、興奮を隠せなかった。

 初回に3点のビハインドを背負ったが、攻撃陣が粘った。6回に鳥谷の適時打などで1点差。迎えた最終回。1死二、三塁で、福留が打席に立った時、指揮官がベンチを出た。ネクストサークルに控える今成に歩み寄り「ヘッドが下がり気味になっている。最短距離でぶつけろ」と、言葉をかけた。福留が四球で歩き、満塁の場面で送り出した。

 「『あまり熱くなりすぎるなよ』と言われました」。前の3打席すべて三振に倒れていたが、今成は「終わったことで、切り替えていた。ああいうチャンスで打席が回った。思い切って振っていこう」と、吹っ切れた。ライナー性の打球が遊撃手・白崎の頭上を越え、自身初のサヨナラ安打。チームとして今季6度目のサヨナラ勝ちだった。

 試合前、和田監督に報道陣から甲子園球場の形をあしらったケーキ、日本一に輝いた1985年産のボルドーワインが贈られた。52回目の誕生日。負ければ首位・巨人と3・5ゲーム差と開き、4位・DeNAと4・5ゲーム差に迫られる危機だった。土壇場で粘りを発揮しての最高のプレゼント。「いやあ、いい誕生日なりました」と、ようやく表情を崩した。(辻 圭太郎)

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