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 西アフリカで猛威をふるうエボラ出血熱について、現地で治療を続ける国際医療NGO「国境なき医師団」のジョアンヌ・リュー会長はこのほど、「国境を越える危機との戦いに世界は敗れつつある」とニューヨークの国連本部で語った。現状では感染を阻止できないとの見方も示し、国際社会に協力を呼びかけた。

 リュー会長によると、西アフリカでは感染者と死者数が急増する中で、暴動が起きるなど社会情勢も不安定化。シエラレオネでは感染で亡くなった人の遺体が路上で腐敗し、感染が急拡大したリベリアの首都モンロビアでは遺体焼却場が不足する。会長は「感染が広がる速さはかつてない水準。我々は未知の領域に突入した」と強調した。