記者会見後に笑顔でポーズをとる(右から)WBCライトフライ級王者の井上尚弥、フライ級王者の八重樫東、ミドル級の村田諒太=東京都新宿区で
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ボクシング3大ビッグマッチの記者会見が3日、東京都内で行われた。4度目の防衛戦に臨むWBC世界フライ級王者八重樫東(31)=大橋=陣営の挑発に、圧倒的有利とされる怪物ロマゴンこと、同級1位の挑戦者ローマン・ゴンサレス(27)=ニカラグア=が動揺の色を見せる一幕があった。
ロマゴンに痛烈な先制パンチを見舞ったのは、王者八重樫ではなく、陣営の大橋秀行会長だ。会見で「作戦は?」と聞かれた大橋会長は「たった一つしかない。ゴングが鳴ったら逃げ回ること。アハハハ」と、ナゾのような微笑を浮かべて言い放った。
ロマゴンはプロ39戦全勝33KO。アマを含めると126連勝負けなし。世界中の軽量級ボクサーが恐れをなし、逃げ回るほどの怪物だ。下馬評も圧倒的にロゴマン有利だが、それを逆手に取った大橋会長の絶妙な口撃だった。
スペイン語通訳を通じてそれを聞かされたロマゴンは「大変いい助言。日本のみなさんにいい試合を見せるため、コンディソンを整えてきた。試合というより戦争。国を出るときも気合を入れてきたんだ」と、ムッとした硬い表情を見せた。
大橋会長が「八重樫が足を使って逃げるか、打ち合うのか、ロマゴンも読めなくなる」と言えば、八重樫も「やりますよー。どっちが足が速いか」とニヤリ。この挑発が吉と出るか凶と出るか。 (竹下陽二)
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