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静岡県知事 全国学力テストで校長名を公表
9月4日 19時54分

静岡県知事 全国学力テストで校長名を公表
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静岡県の川勝知事は全国学力テストの小学校の国語Aの結果について、全国平均を上回った学校の校長名を県教育委員会の方針に反して公表しました。
学力テストの結果は、ことしから教育委員会の判断で公表が可能となりましたが、知事が公表できるとは定められておらず、議論を呼ぶことになりそうです。

静岡県の川勝知事は、先月、国から示された全国学力テストの結果について、小学6年生の国語Aで全国平均を上回った262校の校長の名前と35の市と町ごとの平均正答率を、4日夕方、県のホームページで公表しました。
全国学力テストについては、今回から国のルールが変わり、学校ごとの結果は、教育委員会の判断で公表することが可能となりましたが、知事ができるとは定められていません。
今回、県教育委員会はみずからは学校ごとの結果を公表しない方針で、この知事の対応について、今後、議論を呼ぶことになりそうです。
公表の理由について川勝知事は「学力の問題は先生の責任であるとともに功績でもあることを理解してほしい。テストは受ける以上、結果は出すべきだ」と述べました。
川勝知事は、去年、小学校の国語Aの結果が全国最下位だったことを受けて、全国平均を上回った学校の校長名を公表しています。

教育長「非常に残念な結果だ」

静岡県教育委員会の安倍徹教育長は「結果の公表については実施要領に基づいて知事にも配慮いただくということだったので、非常に残念な結果だ。各市町の教育委員会が結果をふまえて、どう対応したらいいか検討しているさなかに数字だけ公表されてしまった。知事の県民のためにという思いは分かるが、その思いを実現するにはもっと別の方法もあると思う」と知事の対応を批判しました。

文部科学省「明らかなルール違反」

文部科学省初等中等教育局の塩崎正晴参事官は「今回から教育委員会が学校ごとの結果を公表できることになったが、知事の判断で公表することは認めておらず、明らかなルール違反だ。静岡県に経緯を確認したい」と話しています。

「競争の道具にすべきでない」

公表の在り方を検討する文部科学省の有識者会議の委員を務めたほか、学力テストの結果の分析も行っているお茶の水女子大学の耳塚寛明副学長は「学力テストは子どもたちの苦手な分野を把握し課題の改善に生かすことなどが目的で行われており、競争の道具にすべきでない。また、テスト結果には家庭の経済状況なども影響しており、正答率が低いからと言って教員が努力していないわけではないのに、そういった現場の実情を全く見ていない短絡的な行為だ。来年度から教育委員会制度が見直され自治体の長の関与がこれまでより強まるが、教育行政への関与の在り方としては悪い例だ」と話しています。

下村文科相「知事の独断ではできない」

下村文部科学大臣は4日夜、東京都内で記者団に対し、「公表するかしないかは教育委員会の判断であり、知事の独断ではできないので、今回、県教育委員会などが賛成していないのであれば非常に問題だ。すぐ調査して、教育委員会がどのように考えているのかを踏まえて対応したい。きちんとルールにのっとってやってもらう必要があるので、何らかの指導をすることになるかもしれない」と述べました。

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