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北陸代理戦争

快楽亭ブラックの黒色映画図鑑
掲載日2014年07月04日
「北陸代理戦争」 (ほくりくだいりせんそう)
監督:深作欣二 出演者:松方弘樹/ハナ肇/千葉真一/野川由美子 1977

西村晃は水戸黄門より

小心者の方が光る

 

 松方弘樹は名優・近衛十四郎の子として生まれ、十代で東映からアイドルスターとして売り出されたがパッとせず、市川雷蔵が死んだ後スター不足の大映にトレードされ「眠狂四郎」シリーズなどに主演したがこれもヒットせず、古巣の東映に戻り脇役に甘んじていたが「仁義なき戦い」シリーズなどの存在感有る演技が認められ、『脱獄広島殺人囚』から主役スターにカムバックした。

 『北陸代理戦争』はそんな松方弘樹が深作欣二監督とコンビを組んで放った実録やくざ映画の大傑作だ。

 松方演じる主人公は仁義なんかは糞喰らえ、自分の欲望のためならば親分の体を土の中に埋めて顔だけ出し、そのそばをジープで走り回って脅し、言うことを聞かすといった乱暴者だ。親分役の西村晃の情けなさがたまらなく良い。西村晃は水戸黄門より、こういった小心者を演らせた方が光るのだ。

 脚本の高田宏治、この映画では乗りに乗って主人公にハチャメチャさせる。ヒロインは東映やくざ映画には珍しい(というかこれ1本だけ)高橋洋子、また撮影中に渡瀬恒彦が大怪我をして降板したのも話題となった。しかしこの映画が伝説となったのは、松方が演じた主人公のモデルとなったやくざが、映画化されたために対立組織の恨みを買い、映画にも登場する喫茶店で殺されてしまったことだ。その詳細は『映画の奈落北陸代理戦争事件』(伊藤彰彦著・国書刊行会)に書いてあるので、映画を見た後、ぜひ一読を願いたい。

 

→「北陸代理戦争」放送スケジュール ( 書き下ろし )

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快楽亭ブラック プロフィール
快楽亭ブラック

1952年、東京生まれ。
69年、立川談志門下に入門。92年、二代目・快楽亭ブラックを襲名して真打昇進。
2000年度 芸術祭 優秀賞受賞。

放送禁止用語を連発する過激なネタにファンも多いが敵も多く、出入り禁止になった寄席は数知れず。
趣味は映画、歌舞伎鑑賞、プロレス、競馬観戦、そして風俗と幅広く網羅。とくに映画に関しては、14年連続で年間365本以上の作品を鑑賞する、日本イチの映画通を自認。
その情報量に裏打ちされたホンネの映画批評は、「週刊SPA!」で'信頼できる映画評論家ナンバー1'に選ばれるほど高い評価を受けている。「映画秘宝」(洋泉社)、「TVタロウ」(東京ニュース通信社)にコラム連載中。著書に「日本映画に愛の鞭とロウソクを」(イーハトーヴ出版)。

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