夏休みからおかえりなさい-でも債券市場のムードには変化も
9月3日(ブルームバーグ):夏休みシーズンが始まる前の段階、つまり3カ月前と米債券市場がほぼ同じように見えたとしても、投資家はもっと詳しく吟味したいと考えるだろう。
投資適格債の利回りは5月末と比べてわずか0.01ポイントだけ高く、米国債 利回りも0.06ポイントの上昇にとどまっているが、市場のムードは変化した。世界的な成長見通しと中央銀行の金融刺激策に依存する市場がつまずく可能性について、債券投資家はさらに悲観的になっている。
投資家は景気減速局面で最も有利な米国債や投資適格級の長期債に資金を投じる一方、ウクライナおよび中東情勢の緊迫化に伴い、リスクの高いジャンク(投機的格付け)債に対しては前よりもやや弱気だ。
ウェルズ・ファーゴのクレジットストラテジスト、ジョージ・ボリー氏らは2日付のリポートで、米連邦準備制度のゼロ金利政策が6年目に入る中で、企業は利益の拡大を上回るペースで借り入れを増やしていると指摘。「世界各地の地政学的リスクと金融緩和が利回りを抑制し、クレジット市場を支える好循環は9月も続きそうだ」としながらも、「低利資金はマイナス面も示す」と分析した。
ウェルズ・ファーゴによれば、欧州中央銀行(ECB)がデフレと闘うために資産購入を検討する中で、欧州の債券利回りは過去最低水準まで低下し、米国の債券の魅力が相対的に高まっているが、ECBからの予想外の動きが相場を崩すきっかけになる恐れもある。
原題:Welcome Back: Your Bond Market Changed While You Were inthe Sun(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ニューヨーク Lisa Abramowicz labramowicz@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Shannon D. Harrington sharrington6@bloomberg.netCaroline Salas Gage, Faris Khan
更新日時: 2014/09/04 07:00 JST