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「人間魚雷」記憶後世に 浜松・潜水艦元乗組員杉田さん

(2014/9/ 4 10:21)
人間魚雷に乗り込む特攻隊員を見送った時の体験を語り継いでいる杉田秀夫さん=3日午後、浜松市天竜区

 太平洋戦争中に潜水艦乗組員として「人間魚雷」を積んだ潜水艦に搭乗した浜松市天竜区の会社役員杉田秀夫さん(90)が、今年から戦時体験を語り継ぐ活動を本格的に始めた。「国のために命を懸けた若者が海にもいたことを知ってほしい」と各地に出向く。6日には同市中区でも講話を行う。
 人間魚雷は火薬約1・5トンを搭載した魚雷に特攻隊員1人が乗り込み、敵に突入した兵器「回天」のこと。杉田さんは終戦間近の1945年8月11日、回天5機を積載した伊号第三六六潜水艦でパラオ沖に行き、故障した2機を除いた3機に乗り込んだ特攻隊員を見送った。杉田さんは回天のハッチを閉める前に、同年代で気の合った特攻隊長と手を握って交わした言葉や、自身でハンドルを操作して回天を切り離した時の音が今も耳から離れないという。
 これまでも講演を頼まれたが、会社経営などで忙殺され、話す機会は多くなかった。しかし、今年2月の磐田市での講演後、次々と依頼が飛び込むようになった。「犠牲になった3人が戦争や人間魚雷のことを伝えてほしいと言っているのかもしれない。人間魚雷を見送った数少ない者の使命」と覚悟を決め、「戦争のない平和な国にしよう」と話した特攻隊長の姿を伝えている。
 杉田さんは6日午後1時から、浜松市中区の市福祉交流センターで行う映画「永遠の0」の上演会(同日午後2時〜)前に講演する。入場料千円。問い合わせはトモ・プロジェクト〈電053(581)9885〉へ。

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