ワシントン=小林哲
2014年9月4日10時06分
世界保健機関(WHO)のマーガレット・チャン事務局長は3日、訪問先のワシントンで記者会見し、西アフリカで猛威をふるうエボラ出血熱の感染者が3500人を超え、死者が1900人に達したことを明らかにした。死者は先週から400人近く増えた。チャン氏は「(ウイルスを封じ込める)努力を超えて感染が広がっていく」と危機感を募らせた。
チャン氏によると、現地ではエボラ熱の存在を信じていない人も多いという。また、感染を不名誉なことと受け取る人も多く、早期の受診を避けることが死者の急増につながっているという。
リベリアなどを視察してきたケイジ・フクダ事務局長補は、「病院に十分なベッドがなく、患者を運ぶ救急車もない」などと医療態勢の不足を指摘。今後の感染拡大で、「数千人の医療スタッフが必要になる」として、スタッフ確保が課題になると述べた。
WHOは、感染が集中しているギニア、シエラレオネ、リベリアの3カ国では、感染を抑え込むまでに最大9カ月かかると見ている。感染者は2万人を超える可能性があり、対策費として6億ドル(約630億円)を見込んでいる。(ワシントン=小林哲)
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朝日新聞国際報道部
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