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経済
【シャープ亀山10年の先(中)】保秘か供与か 半導体の苦い教訓、難しい秘伝「IGZO量産技術」開放の舵取り
シャープの収益の柱と位置付けられる高精細で低消費電力の液晶パネル「IGZO(イグゾー)」技術は亀山第2工場(三重県亀山市)で量産を開始した平成24年3月当時、「賞味期限は意外に短い」と業界でささやかれていた。
基本特許を保有する科学技術振興機構(JST)は国内外の企業に分け隔てなくライセンスを供与し、巨額の研究開発費を投じる韓国サムスン電子ともすでに契約を締結。学会レベルでは複数企業がIGZOを活用したディスプレー技術を発表していたためだ。
ところが、2年が経過した今もシャープ以外でIGZOを量産できていない。量産化技術がいかに難しいかを裏付けるが、背景には技術のコモディティー(陳腐)化とともに競争力を失った半導体や液晶テレビの教訓を踏まえた新しいブラックボックス戦略がある。
半導体部門出身の方志教和専務は「シャープと同じ製造装置を購入したり、技術者を引き抜かれたりして技術的に追いつかれた半導体の教訓から、機械や技術者1人の情報ではまねできない仕組みにした」と説明する。
製造装置は、設備メーカーから納入された後に独自に改良したり、新たなデータを組み込んだりした。インジウムやガリウム、亜鉛など酸化半導体の材料の最適な配合レシピや、ガラス基板の表面に駆動装置や電極を置く作業など、工程ごとに技術情報も分離して全体を把握する人材をごく一部にした。特定の技術者が流出してもすぐには追いつけない仕掛けをつくった。
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