本の読み方を間違えていました
プロフィールにもチラッと書いているのですが、僕の20代はほとんどいいことがなく終わりました。
よく、「若い頃に戻りたい」と言う人がいますが、僕は20代に戻ることを考えただけでゾッとしてしまいます(実際、今でも毎年1〜2回は当時の悪夢を見ます)。
出口のない真っ暗なトンネルをいつまでも走っている感覚だったので、なんとか光を見つけようとHow To本なんかをよく読んだものでした。
その結果。
事態はまったく好転しませんでした。
今から考えると、How To本が悪いのではなく、僕が読み方を間違えていたんだなぁ、としみじみ思います。
具体的にどう役に立っているの?
僕の後輩で、How To本や自己啓発本が好きな男がいます。
その手の本を読んでは、「やる気が出た」とか「ためになった」とか言っているのですが、「具体的にどう役に立ってるの?」と聞くと、いまいちパッとした答えが返ってきません。
「読んで満足してるんだろうな」と思って見ているのですが、僕も昔はまさにそうでした。
成功者のポジティブな言葉の数々を読んでいくと、確かにやる気が出てきますし、ためになったような気がします。
しかも僕の場合、読んだだけで自分がレベルアップしたような錯覚に陥っていたので、後輩より残念な男だったかもしれません。
言うまでもありませんが、How To本を読むからには、それを実務で役立てなければ意味がありません。
How To本は教科書なのか?
ところが、読んだ内容を実務に役立てるのも簡単なことではありません。
ここで「もう一つの錯覚」に陥る可能性があるからです。
つまり、「書いてある内容=答え」と捉えてしまうこと。
例えばの話です。
元ニューヨーク・ヤンキースの松井秀喜さんに、ホームランの打ち方をたずねたとします。
すると、
「スタンスは肩幅と同じくらい」
「グリップの位置は耳の後ろ」
「バットを振り出す角度は◯◯度くらい」
「インパクトの瞬間に手首をこう返す」
と教えてくれるかもしれません。
しかし、これらのコツがすべてハマる人は10人に1人もいないでしょう。
なぜなら、この方法でホームランを打つには、「松井さんと体のサイズと身体能力がまったく同じ」という条件がないと成立しないからです。
そして、この事例からわかる唯一の事実は、
「松井さんはこうやって打つからホームランが打てる」ではなく、
「松井さんはホームランが打てる人だから、こういう解説ができる」ということだけです。
なぜ?なぜ?なぜ?の繰り返し
では、自分はどうやればホームランが打てるのでしょうか?
これはもう、考えながらトライ&エラーを繰り返すしかありません。
「なぜ、打てなかったのか?」「なぜ、打てたのか?」
そんなことを考えながらトライ&エラーを繰り返している時に、How To本を読む人もいるでしょう。
僕もコピーや文章の書き方を勉強している時に読みました。
ただ、その時に「書いてあること=答え」とは捉えず、「著者は何をどう考えて、このHow Toに至ったのか?」を考えるようにしました。
松井さんの例で言えば、「なぜ、スタンスは肩幅と同じくらいなのか?」を考えたのです。
すると、
(1)体の軸がブレないから
(2)下半身の力をうまく上半身に伝えられるから
(3)インコース・アウトコース、高め・低めなど幅広いコースに対応できるから
ではないか? という「答えらしきもの」が浮かんできます。
ということは、スタンスを肩幅と同じにすることに集中するのではなく、
(1)(2)(3)をすべて可能にできる、自分だけのスタンスを見つける方が得策だと気づきました。
そしてその時、初めてHow To本の読み方がわかったような気がしました。
書店にはいつでもHow To本があふれています。
それだけみんな、何かのヒントをつかもうとしているんだろうな、と感じます。
読み方は一人ひとり違うと思いますが、せっかく読むなら、その内容をひとつでも多く自分のものにしたいですね。
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書いたのはこの人
- 大学受験に失敗し、フリーターをしながら将来を考えるという20代前半を過ごす。26歳の時にコピーライターとしてキャリアをスタートさせるも、ブラック企業で馬車馬のように働かされ、体をこわしたのを機に退職。その後、理想に近い会社に就職するも、入社4年目に倒産。フリーランスを経て現在は都内の広告制作プロダクションでディレクターを務める。なんとなく信じている諺は「人間万事塞翁が馬」。
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