若者捉える19歳ラップシンガー9月4日 10時12分
自閉症と診断され子どものころから引きこもりの生活を送っていたラップ・シンガーのGOMESS(ゴメス)さんこと森翔平さん(19)。
苦しい経験から生み出された歌詞は多くの若者の心を捉えて動画配信サイトなどで人気を集め、ことし7月には初めてのアルバムを発表しました。
ゴメスさんは「ラップは、ただ毎日明るく生きることができるひとつのツール」と語ります。
生み出された詞の世界は
ゴメスさんがみずからの体験を基に生み出した歌詞の一部です。
~My name is Gomess、人間じゃねー、孤独の世界からいつも見てる。笑って泣いて怒って。人に紛れてまだ19年~。
~世界が求めたのは俺じゃないのだから。それもいいかな、孤独を愛して、悲しみを喜ぶことさえできた。一人で生きるのはダメなことか。そんなことないって言ってくれ。なあ、きょうもこの世界は地獄のよう~。
ラップが変えた生活
ゴメスさんは静岡県出身の19歳、4日に20歳を迎えます。
10歳のとき、対人関係がうまく築けず人前でパニックになる症状に襲われるようになり、自閉症と診断されました。
以来、学校も休みがちになり、中学を卒業するまでの5年間は引きこもりの生活を送りました。
そんなゴメスさんを変えたのが、力強いことばで思いをぶつけるラップとの出会いだったと言います。
「そのラップはめちゃくちゃ希望にあふれていて、『負けるな!』みたいな曲で、聴いた瞬間に泣いちゃいました。僕は短くまとめて伝えるのが下手なんです。ラップの場合は、伝えたいことをいかにストレートに伝えるかで、そこはほかの音楽とは絶対違うと思いました」(ゴメスさん)。
自分の気持ちを伝えられるとラップの世界にのめりこみ、18歳のときには「高校生ラップ選手権」に出場、準優勝を果たしました。
初のアルバムに込めた思いは
去年から東京の事務所に所属して音楽活動を行うゴメスさん。
ことし7月には初めてのアルバムを出しました。
新しいアルバムの曲にはこんな歌詞も。
~歌から喜怒哀楽を学ぶ。人と出会って人と別れる。生まれて初めて感情に触れる~。
人前では常にパニックへの不安がつきまとい、直前で仕事に行けなくなったこともあるというゴメスさん。
それでもラップを続けるゴメスさんの目指すものとは。
「ラップをしているときの自分は認められる。どんな場所でもいいから、とにかくいろんな場所に自分の音楽が流れて、自分の姿が出て、全員に伝わったらいいな。自分の音楽を通して、悩んでいる人や前を向けない人に、いい未来を見せられたらと。力を与えるには、みんなが元気に笑顔になることを何でもやっていきたいです。」(ゴメスさん)。
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