2007年11月07日

酒石酸からメルシャンへ

○ワインの里フットパスでの質問、「酒石酸をどのように潜水艦探査に活用するのか」について調べてみた。「レーダー」なんて書いたけど、海水中において物体の位置を測定する装置は「ソナー」である。
○ソナーは、タイタニック号の沈没を契機に、夜間や濃霧時などの視界が利かないような場合でも、氷山を発見し回避できるよう開発が進められたという。実際に活用できたのは、第二次世界大戦時の対潜兵器として、ナチスドイツのUボート探知であったとのこと。日本でも戦争末期から研究を進めたという。実際のどのくらいの成果があったのかはちょっとわからない。
○ソナーの電圧素子として葡萄酒から取れる酒石酸ナトリウムカリウムの単結晶である「ロッシェル塩」が、海中の音波振動を電気信号に変換するための圧電素子として使われた。
○結晶であるから水晶と同じような形をしている。腕時計にも水晶発信があるから原理的には似ていると思うが、小生素人につき科学的な説明は出来ないのがむなしい。
○この酒石酸、海軍だけでなく、陸軍でも海水の脱塩剤に酒石酸が必要ということがわかり、兵器に必要なものとして脚光を浴びた。
○勝沼でも酒石酸を割り当てられ供出したのであるが、品質が悪かったりしたことから山梨県庁では講習会まで開催したという。
○問題は酒石酸を採取した後の葡萄酒だ。大部分は葡萄酢(ビネガー)になってしまったからその処分に手を焼いた。こうした商品を葡萄酒として販売したやからもいたことから「葡萄酒はすっぱいもんだ」という悪評がたってしまい、この信頼回復にかなりの時間が掛かったのだ。
○昭和19年8月、現在のメルシャンワインの地に、日清製油株式会社が山梨工場を設けて、軍の命令で試験採取を始めたが成功しなかった。日清製油ではこのとき、葡萄酒、ブランディなどの醸造免許を取り、これが後の日清醸造株式会社の母体となる。だからメルシャン前の坂のことを80歳近い人たちは「日清の坂」という。この工場の整備に、宮崎第一醸造場の建物が移築されたのではないかと室伏教授は推測している。
○日清醸造株式会社のひとつの銘柄が「メルシャン」であった。その後、三楽酒造株式会社が大和醸造株式会社とオーシャン株式会社を吸収合併、株式会社オーシャンから三楽オーシャン株式会社となる。昭和60年に三楽株式会社、平成2 年メルシャン株式会社と社名変更、現在はキリンの持ち株会社としてキリングループのワイン事業の中核となっているのだ。
○オーシャンの前進はあの大黒葡萄酒株式会社。関東近県に工場があり、軽井沢のウイスキー工場もそうだ。12月にふたみ会の旅行で訪れる予定。
○う〜ん、簡単には覚えられないのだ。


hutamikai23 at 21:23│Comments(0)TrackBack(0)clip!ワインのこと 

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