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被災地見放された 3県出身大臣ゼロ

閑散とした仮設商店街。被災地の経済活性化に期待感が高まっている=3日、石巻市の石巻立町復興ふれあい商店街

 3日発足した第2次安倍改造内閣では、女性5人の入閣や第1次内閣のメンバーの返り咲きが目を引く一方、岩手、宮城、福島3県出身の大臣がゼロとなった。女性が輝く内閣か、「お友達」ばかりの仲良し内閣か−。被災地は震災復興に取り組む政権の姿勢に厳しい視線を向けた。

 東日本大震災の被災地では第2次安倍改造内閣に復興のさらなる推進を求める声が広がる。ただ、復興相となった竹下亘衆院議員(島根2区)は被災地との縁が薄いこともあり、「見放されたよう」との不安も湧いている。
 人口の流出を防ぐためにも、被災地では産業の立て直しが欠かせない。東松島市商工会の橋本孝一会長(66)は「若年層が夢を持てる雇用や賃金に関する政策を考えてほしい。見切り発車でもいいからとにかく実行を」と注文した。
 12月には、首相が消費税率の再引き上げをするかどうか判断する。震災と経済停滞にあえぐ商店主らの間には不安が広がっている。
 宮古市の仮設商店街「たろちゃんハウス」で写真店を経営する新屋正治さん(59)は「仮設住宅からの転居が進み、売り上げが減っている。消費税率10%になれば打撃は大きい」と嘆いた。
 「水産業と食品加工業の復興にもっと目を向けるべきだ」と話すのは気仙沼市の遠洋漁業会社経営臼井壮太朗さん(42)。内閣から被災地ゆかりの顔が消えた点を不安視し「これまで以上に声を聞きに来てほしい」と要望した。
 過去2代にわたって復興相は東北出身者が務めてきた。今回の竹下氏起用について、宮城県内の自民党関係者は「これまで被災地を案内した記憶がない」と首相の真意をいぶかった。
 仙台市太白区のあすと長町仮設住宅自治会の飯塚正広会長(53)は「東北が見放されたように感じる。復興にブレーキがかからないか心配だ」と語った。
 新内閣にとって、福島第1原発事故の収束、福島再生も大きな課題となる。飯舘村から福島市の仮設住宅に避難している農業佐藤隆子さん(75)は「原発に頼らない生活はできないのだろうか。福島で避難している人がいる現実を忘れないでほしい」と訴えた。


2014年09月04日木曜日

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