■中小企業「これ以上耐えられない」
しかし、大企業とは異なり、中小の輸出企業の間では「これ以上は耐えられない」と訴える声が高まっている。中小企業中央会によると、輸出中小企業のウォン・円相場の損益分岐点は1059ウォンだ。首都圏で携帯電話用の電子回路関連部品を生産する業者の社長は「過去2年で、輸出単価が20%も低下したが、さらに引き下げる必要がありそうだ。これ以上は持ちこたえられない水準まで来た」と話した。同社はライバルの日本企業が円安を武器に価格を一斉に値下げしたことで、追随値下げを強いられている。
機械部品業界関係者は「最近は海外のバイヤーが日本企業の値下げを理由に挙げ、部品メーカーを中心に韓国企業に納品価格の引き下げを要求するケースが増えている」と話した。
日本企業が円安を武器に競争力を強化した効果は時間がたつにつれてはっきりしてくる見通しだ。例えば、日本の自動車メーカーは中国に工場を新設し、生産を増やしている。日本の自動車大手3社は昨年、中国での研究開発投資を前年比で4-10%増やし、新車開発に3000億-9000億ウォン(約310億-920億円)をつぎ込んだ。その結果、今年1-7月の中国での販売台数はトヨタと日産が前年同期比でそれぞれ12%、17%増え、現代・起亜自(10%)の伸びを上回った。米国でも昨年まで現代・起亜自を下回っていた日産が今年1-7月に逆転に成功するなど、破格の値下げ戦略が日本車の販売増につながっている。トヨタは最近5カ月、月20万台以上を売り上げた。
産業研究院のイ・ハング博士は「輸出中心の大企業はまだましだが、部品メーカーは営業利益率が2-3%にとどまるほど既に限界へと追い込まれている。価格競争力が失われ、輸出大企業が円安の負担を部品メーカーに転嫁すれば、多くの中小企業は存続が危ぶまれる事態になりかねない」と警告した。