市村正親は「女房、子供のために、これから、またしっかり生きられる」と言って涙を拭った=東京・下目黒(撮影・高橋朋彦)【拡大】
報道陣約100人が待つ東京都内の会見場に、スーツ姿でさっそうと登場した市村。手術前と比べて体重が4・5キロ減ったというが、顔色もよく、「多大なる迷惑をお掛けしましたが、市村正親、元気に戻ってきました!」と張りのある声を響かせた。
市村は6月下旬に魚を食べて体調不良を起こし、東京都内の病院で急性胃炎と診断され、入院した。その際、妻の篠原が「これだけ痛がっていて不安なので、いろいろと調べてもらえませんか?」と医師に頼み、CTや内視鏡で精密検査をしたところ、がんが見つかった。「そのひと言がなければ、ただの腹痛で終わっていて、知らないうちに進行していたかもしれない。妻は命の恩人です」と感謝した。
市村は7月27日までミュージカル「ミス・サイゴン」に出演し、翌28日に入院。篠原の立ち会いのもと、約4時間半に及ぶ腹腔鏡手術で胃の半分を切除した。「全部(がんが)取れたと医者から聞いたとき、2人で抱き合い、泣き合いましたね」と振り返った。
8月9日に退院。「家に帰ったら子供たちが歓迎してくれてね…」と声を詰まらせ、「2歳半の子(次男)が『パパ、こっちおいで。大丈夫』と。上の子(長男=6)は病室に来たときお腹の傷を見せたら『痛そう』って…」と、子供の話になると、あふれ出す涙を止められなかった。