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【大リーグ】

フィリーズ、4人でノーヒッター 球団12度目も、継投での達成は初

2014年9月3日 紙面から

◇フィリーズ7−0ブレーブス

 継投でノーヒッター!! フィリーズは1日(日本時間2日)、敵地アトランタでのブレーブス戦で4投手の継投によるノーヒットノーラン(無安打無得点試合)を達成した。米複数メディアによれば、“継投ノーヒッター”は球団史上初、メジャー史上9度目で、フィ軍のノーヒッター達成も12度目だった。先発左腕コール・ハメルズ(30)が6四死球と荒れながら6イニングを108球で投げ切ると、左腕ジェーク・ディークマン(27)、右腕ケン・ジャイルズ(23)、右腕ジョナサン・パペルボン(33)の救援陣が1イニングずつをパーフェクトに抑えた。

 チーム一丸での偉業だからこそ、うれしさ倍増だった。9回2死。守護神パペルボンは最後の打者ゴセリンを一塁へのハーフライナーに料理すると、どや顔でガッツポーズ。ルイス捕手とハイタッチしたマウンドにナインが殺到すると、敵地なのに満場の拍手が降り注ぐ中、とろけそうな笑顔でハグし合った。

 「本当に特別なウイニングボールだから、みんなでデービッド・モンゴメリー(球団社長)にささげることにした」。先発左腕ハメルズは、がんで闘病する68歳の球団社長へのプレゼントを、神妙な表情で語った。

 先発投手が無安打で途中降板するのはまれだが、今回は致し方なかった。ハメルズは今季最多タイの5四球など6四死球。6イニングで108球も費やし、7回の打席で代打を送られた際も、ベンチで苦笑していた。「完全にチーム全体での達成だったからこそ、みんなで心から喜び合えたんだ」。ハメルズは屈託なく笑い、3番手として8回を3者連続三振に料理したジャイルズも「コール(ハメルズ)が一人で投げ切るから出番はないと思っていたけど、たまに『助けてくれ』って頼られるのも、いいもんだね」と、にやけっ放しだった。

 “ノーヒッターの陰に美技あり”の格言は、今回も生きていた。1−0の3回2死二、三塁。右翼線の方向にスライスして切れていく難しいライナーの打球に、右翼バードはダイブし、地面スレスレでキャッチ。バードは「タイミングが完璧だった。ナイスだったね」と自賛し、ゴンザレス監督は「ハメルズの序盤の出来を考えると、あのプレーは際立っていた」と感謝した。

 継投ノーヒッターは球団史上初、メジャーでは2012年のマリナーズ以来9度目。フィ軍のノーヒッターは、10年にロイ・ハラデーが完全試合と無安打無得点試合を達成して以来で、12度目だった。

 今季のフィ軍は主力の多くが高齢化した影響もあり、63勝74敗。14年ぶりの2年連続負け越しはおろか、17年ぶりの地区最下位も見えている状況だ。「チームにとって厳しい年だが、これで『この年にこれを達成した』と言える」と守護神パペルボン。試合後のロッカールームで栓を抜いた7本のシャンパンは、ことさら美味だったはずだ。

 

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