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【大リーグ】

川崎、7回に決勝タイムリー PS進出諦めたくないん打!?

2014年9月2日 紙面から

◇ブルージェイズ4−3ヤンキース

 【トロント穐村賢】ポストシーズン(PS)進出、まだ“諦めないん打”!! ブルージェイズの川崎宗則内野手(33)は8月31日(日本時間9月1日)、9番二塁で出場した地元でのヤンキース戦で、3−3の同点で迎えた7回2死二塁で右前に勝ち越し適時打を放ち、勝利の立役者となった。Bジェイズはア東地区で首位オリオールズから10・5ゲーム差の3位で1993年以来となる地区Vは絶望的。ワイルドカード(WC)でもかなり分が悪いが、PS進出の道が完全に断たれたわけではない。わずかな望みにかけ、“青い鳥”軍団が9月反攻をかける。

 トロントの人気者“元気印”川崎が超満員4万5678人の地元ファンを総立ちにさせた。

 2−3で迎えた7回。エンカーナシオンの同点弾が飛び出し、なお2死二塁の絶好の勝ち越し機。今季ここまで防御率1点台と抜群の安定感を誇っていたヤ軍の救援右腕ベタンセスの内角高め、97マイル(約156キロ)直球を上からたたくと、打球は痛烈なハーフライナーとなり、一、二塁間を抜けた。

 「打った球? 緊張して何も覚えていない。体に任せて(打った)。みんながいい流れをつくってくれて、打たせてもらった」。二走トーレソンの好走もあって、スコアボードに勝ち越しとなるこの回2点目が刻まれると、本塁送球間に二塁を陥れていた川崎はベース上で手をたたき、雄たけびを上げる。そして、ど派手なガッツポーズを繰り返した。

 貯金はわずかに2、なおWCによるPS進出が厳しい状況であることに変わりはないが、チケット完売で背中を押してくれる地元ファンの前でぶざまな試合は見せられない。0−3からの劇的逆転勝利で主役を務め、決して諦めない姿を示した川崎は「最高にうれしい。気分もいいし、機嫌もいい。今日もビールと焼酎がむちゃくちゃうまい。明日も休みだし飲みまくるぞ」。

 前日も先発右腕ハッチソンらによる完封リレーで勝ったが、「僕が活躍しなくて勝ってもうれしくない。僕が打って勝つ。これしかない」と語っていた男。“有言実行”でWCのライバル、ヤ軍との3連戦で勝ち越しを決め、いつも以上に雄弁になった。

 試合終了直後の日本のテレビ局によるヒーローインタビューでもテンションは上がりっぱなしで、日本の視聴者向けなのになぜか全て英語で受け答え。クラブハウスに戻っても“川崎節”は収まらず、「残り1カ月とかは気にしない。Just play have fun enjoy the game(試合を楽しむ。それだけ)」と意気込んだ。

 失うものは何もない。追う者ならではの強みもある。川崎の最後まで諦めないという姿勢がチームに浸透し、無欲の戦いが続けられれば、奇跡の逆転PS進出も夢物語ではなくなる。 

 

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