内閣改造:「入閣待機組」から不満噴出

毎日新聞 2014年09月03日 21時39分

 3日の内閣改造・党役員人事を受け、大臣の経験がない「入閣待機組」の中堅・ベテラン議員から不満が噴出している。留任・再任の閣僚が10人で初入閣は8人。女性の起用が目立ち、枠はさらに減った。「たまった不満に火が付きかねない」(党幹部)との懸念も出ている。

 改造前、一般に「大臣適齢期」とされる衆院当選5回、参院当選3回以上の大臣未経験者は衆参で約60人だった。「待機組」以外から衆院当選4回の松島みどり法相ら女性閣僚2人が初入閣したため、「待機組」からの初入閣は6人となり、「待機継続組」が50人以上残った。衆院当選6回の男性衆院議員は「改造したのに、ガス抜きどころかますますガスがたまった」と声を荒らげる。

 安倍晋三首相の出身である最大派閥、町村派でも不満がくすぶる。同派所属の山谷えり子拉致問題担当相や下村博文文部科学相ら3人が初入閣・留任したものの、推薦した宮路和明衆院議員(衆院当選8回)らの入閣はかなわず、同派幹部は「(3人は)女性枠や首相に近い『安倍枠』で、派閥推薦はゼロ回答」と漏らした。

 石原派は石原伸晃会長が環境相を退いたため、閣僚・党四役ともにポストがなくなった。石破茂地方創生担当相を支える無派閥連絡会からは、石破氏以外の入閣はなかった。自民党幹部は「今後、重要選挙での敗北や閣僚の失言があれば、不満が表面化するのでは」と指摘する。【阿部亮介、高橋恵子】

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