韓国・中央日報の中国語電子版によると、韓国で4月16日に起きた旅客船セウォル号の沈没事故で、一番先に助かった一部の船員らが、缶ビールを飲み、たばこを吸いながら救助を待っていたことが分かった。「落ち着くため」だったという。中国・人民網が3日伝えた。
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2日、光州地方裁判所で行われたセウォル号の船員ら15人に対する裁判で、一等機関士のソン被告(58)は「(脱出しようと3階の船室の廊下に集まった後)パク機関長(58)と缶ビールを飲んだ」と証言。「当時、とても興奮していたので落ち着くために私が飲もうと言った」と語った。また検察から「たばこも吸ったのか」と質問されると、「吸いました」と答えた。
裁判では、ソン被告らがけがをして動けなくなった調理師2人を置き去りにして逃げたことにも言及。「当時、乗客たちがどこで何をしているのかを考えたか」との検察の質問に対してソン被告は、「考えた」と答えた。一緒にいたパク3等機関士(58)は「乗客はどうするか」ときいてきたという。それでも乗客らのいる船室に行かなかった理由についてソン被告は、「判断を誤った」とだけ語った。
この日の裁判で同じく質問を受けた3等機関士のイ被告(25)は、「甲板長が『この船(セウォル号)は韓国で一番危険な船だ』と話していたのを聞いたことがある」と証言。甲板長は「下手をすれば転覆する恐れがあるので、気をつけろ」と言ったという。
(編集翻訳 恩田有紀)