光州地裁で開かれたセウォル号事件の公判の様子 European Pressphoto Agency

 多数の死者を出した韓国の旅客船「セウォル号」沈没をめぐる刑事裁判で、ある乗組員の証言から、救助を待っている間に缶ビールを飲んでいたことが明らかになった。

 2日開かれた光州地裁での公判を傍聴した韓国メディアによると、被告人の一人が気を落ち着かせるため他の機関士らと1本の缶ビールを分け合ったと証言した。また、別の機関士はたばこも吸っていたという。

 傍聴席からは犠牲者の家族の一人が「今もビールを飲みたいか」との罵声を浴びせ、法廷内が騒然となったと、現地メディアは報じている。

 証言した機関士については「ソン」という姓だけが公表された。プライバシーに関する韓国の法律では犯罪容疑者の姓名を公開することを制限している。

 公判は6月14日から行われており、「ソン」被告以外の乗組員は、全員が無罪を主張している。