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 愛知県新城市議会の本会議一般質問で、長田共永市議(49)=3期=が「婚姻届を出した人に穴の開いたコンドームを配っては」などと発言した問題で、同市議会の政治倫理審査会は3日、長田市議を処分しないと発表した。「品性に欠ける発言」と認定したが、「市議会の政治倫理条例に違反するまでの重篤な事実は認められない」と結論づけた。

 長田市議は6月18日の本会議で、来年10周年を迎える市町村合併の記念事業案として発言。別の市議が7月14日にブログで取り上げ問題になった。

 市議会は7月30日、同条例に基づき政治倫理審査会を設置。「市議会の品位と名誉を著しく汚すものである」などと問題視し、長田市議への聴取や学識経験者から意見を聞くなどしてきた。

 処分を見送った理由として、①同条例が想定する金品の授受や口利きなどの具体的な違法、不正な行為ではない②「品位と名誉」といった抽象的、理念的な基準に違反したとして措置の対象とするのは議員の言論活動を萎縮させかねない③資質やモラル水準は有権者が選挙を通じて議員の責任を問うべきもの、などを挙げている。