「教育や福祉に手厚く、日本のように待機児童問題で悩むこともない男女平等の国、フィンランド」の実態がよく分かる記事です。
- 午後4時に退社? フィンランド人が徹底的に効率よく働く理由とは (ハフィントンポスト)
北欧は「男女平等」の国とはいえ、女性が男性化することが平等とは捉えられていないので、母親であることを優先する女性は、定刻で帰れる職種を選ぶ。
上の引用は、【「性別役割分担」が少子化対策にならない理由】での指摘と一致します。
妊娠・出産を男女同一化することは生物学的に不可能なので、働き方を男女で同一化しないことが、ワーク・ライフ・バランスには必要です。働き方を男女同一化すると、女が妊娠・出産しない、という形で男と同一化してしまいます。
男女の職種の違いについては【北欧の「男女の働き方」の虚と実】などでも取り上げていますが、フィンランドについても見てみます。
スウェーデンやノルウェーと同様、女は対人サービスや補助的事務が多く、上位11職種で全体の74%を占めます。男は正反対に、その他の職種が72%を占めます*1。男女が選好・適性に応じた社会的分業を行っていることが示されます。
公共セクター(特に地方自治体)で働く女が多いことも北欧の特徴です。公共セクターに雇用される男は全体の18%ですが、女は44%です。男に比べて女のパートタイム労働が多いこともポイントです。
北欧諸国で女が高い労働参加率とワーク・ライフ・バランスを実現させている主因は、「女向きの対人サービスを公共セクターが提供している」ことにあります。
という構図です。デイケアセンター等の大半は地方自治体立なので、そこでの仕事は"decent work"であり、日本のようなブラック職場になる心配なく働けます。
一方、日本は教育・保育・医療・介護の営利色を強めることが「改革」とされています。営利企業にとって、従業員の育児は「無駄なコスト」なので、北欧のような"育児とdecent workの両立"は難しいでしょう。
*1:上位5職種は①Drivers and mobile plant operators, ②Science and engineering professionals, ③Building and related trades workers, excluding electricians, ④Metal, machinery and related trades workers, ⑤Science and engineering associate professionalsで、いずれも典型的な「男の仕事」です。これら5職種が男の雇用に占める割合は38%ですが、女ではわずか5%です。