国際激流と日本

日本非難の大合唱に異を唱えた元太平洋軍司令官「歴史の上ではどの国も加害者だった」

2014.09.03(水)  古森 義久

前回、日本の慰安婦問題への態度について 米国では日本非難の「米韓大合唱」が起きていることを伝えた。

 だが、米国はさすがに多様な言論の国であり、日本への反応も完全な非難一色というわけではない。日本擁護という意見こそ少ないが、慰安婦問題など歴史問題に関する案件で韓国や中国が日本を叩き続けることへの反対の声も存在する。そのことは日本側として知っておくべきだろう。

 そんな思いを感じさせられたのが、元太平洋軍司令官、デニス・ブレア海軍大将の言葉だった。

 舞台は、前回の報告で紹介した、ワシントンの大手シンクタンク「ヘリテージ財団」が8月19日に開いたシンポジウムだった。タイトルは「歴史が北東アジアの将来の前進を阻む」というものだったが、内容のほとんどは日本の歴史認識に絞られ、韓国側代表による日本非難が激しく述べられた。

 ブレア氏といえば、海軍士官学校卒、米海軍で各種の軍務に就き、1999年から2002年まで太平洋軍司令官を務めた。2009年から2010年までは、米国国家情報長官という要職に任じられた。長い軍人生活の中で安全保障や戦略の学究活動にも携わり、理論派、学究タイプと評される人物でもあった。アジア地域での勤務も豊富でアジア情勢に詳しいとされ、2014年5月から米国笹川平和財団の会長も務めている。

 そのブレア氏が、ヘリテージ財団の前述のシンポジウムで基調演説者となった。もう1人の基調演説者は韓国の駐米大使の安豪栄氏だった。ブレア氏はまず冒頭の演説で、「アジアでの歴史の長い影」と題して、中国、日本、韓国の歴史へのそれぞれの姿勢について語った。

歴史は自国の権力強化のために使われる

 ブレア氏の発言の骨子は次のようなものだった。

・中国のような独裁政権は、自己の権力の掌握を強めるた…
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