edgefirstのブログ

国内新聞社を中心としたマスメディア関連のウェブサイト巡回が趣味です。業界紙的なノリでトピックスをメモしていきます。

読売新聞、朝日の慰安婦報道検証で攻勢 チラシを各戸配布

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 8月5日と6日の朝日新聞朝刊に掲載された慰安婦問題の特集をきっかけに、新聞・雑誌・ネット上で様々な議論が巻き起こっている。主要週刊誌である週刊文春・新潮・ポスト・現代がそろって特集を組んで批判を続けているが、新聞社でも以前から朝日新聞への批判を続けている産経新聞だけでなく、読売新聞も朝日批判を大きく展開している。8月28日から連載「検証 朝日『慰安婦』報道」を開始。ウェブサイトYOMIURI ONLINEの最上部(グローバルナビゲーションバー)に「慰安婦報道」のメニューを設置しサイト内どのページからでもアクセスできるようにしている。ニュースサイトとしては破格の扱いでこの問題に臨んでいる。

 そんな中、上記のチラシが読売新聞を購読している世帯に折り込まれた。内容は朝日新聞慰安婦報道の問題点を指摘し、読売新聞に掲載された識者の声や社説の転載、8月5日以降に寄せられた読者の声(主に朝日への批判と読売への激励)で構成されている*1。見出しは「慰安婦報道検証 読売新聞はどう伝えたか」で、一貫して朝日新聞の報道内容を批判するものとなっている。朝日を購読している家庭にもポスティングされていたとの声もあり、この問題を契機に朝日の読者を奪おうという姿勢が伺える。

 紙面やウェブサイト、各戸配布チラシなどでここまで大々的に攻勢をかけているのは、やはり部数減少に対する懸念があるのではないか。ABC部数を調べると、2011年から2013年にかけてほぼ10万部減少(ただし11月のみ1000万部回復)という、他紙とそれほど変わりない減少幅で来ていたのが、今年に入って減少ペースが急加速。4月には前月比20万部減の948万部、7月には925万部まで落ち込み、6カ月連続の減少となっている。前年同月と比較して約60万部もの減少であり、神戸新聞の全部数(58万部)に匹敵する部数の減少が報告されたことになる。ついに販売店が発行本社からの目標達成のための数字を支えきれなくなったのでは、と思わせる落ち込みぶりだ。

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 おそらくはこのキャンペーンをきっかけに、11月に向けて部数を積み上げていくのだろう。例年通りであれば、今年も11月には部数の神がかり的な回復が見られるはずだ。

*1:ちなみに取り上げられた読者の年齢層は60代が大半