新藤義孝総務相は2日の閣議後の記者会見で、大阪維新の会が推進する「大阪都構想」の設計図にあたる協定書について「特段の意見はない」とし、法令上の不備はなく容認できるとの意見を公表した。反対派を排除して構想を強引に進める橋下徹大阪市長ら維新の手法には問題があるとして「関係者間で真摯な議論に努めてほしい」と助言することも明らかにした。
新藤氏は「都構想は、自らの地域の在り方を決める重要な問題だ。住民意思を反映し合意形成するという考え方を関係者が共有し、議論してほしい」と述べた。同日午後、文書で大阪側に改善を要請する。
都構想を推進する橋下市長と松井一郎大阪府知事は、総務相の意見表明により大都市地域特別区設置法に規定された手続きが整ったとして、9月開会の府・市両議会で協定書の審議を求める方針。ただ維新は両議会で過半数に満たず、都構想の是非を問う住民投票実施に必要な議決を得られる見通しは立っていない。
都構想を巡っては、維新が7月、委員を入れ替えるなどして維新委員のみが出席した法定協を開き、協定書を取りまとめた。都構想に反対する自民党や公明党などの議員を委員から排除したことについて、野党が「民意を反映していなく、無効だ」と反発。与野党間の対立が激化しており、総務相は「正常な状態ではない」と懸念を示していた。
大都市地域特別区設置法は、政令市廃止を目指す地域が協定書を提出し、総務相が内容に問題がないか点検、意見を表明するとしている。
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