海自隊員:自殺前日にもいじめ…元上司に相談後
毎日新聞 2014年09月02日 00時57分(最終更新 09月02日 10時48分)
海上自衛隊横須賀基地(神奈川県横須賀市)に配備されている護衛艦乗員の男性隊員が1等海曹から繰り返しいじめを受けて自殺した問題では、隊員が自殺の2日前、元上司に被害を相談していたことが海自横須賀地方総監部の発表で明らかになっている。自殺前日には護衛艦幹部が1曹を注意したが、いじめはその日夕方にも起きていた。
総監部によると、いじめを繰り返していたのは男性隊員の上司の後藤光一1等海曹(42)。関係者によると隊員は30代の3等海曹。1曹は総監部の調べにいじめの事実を認め「いきすぎた指導だった」と話している。
総監部によると、1曹は昨年10月から男性隊員の頭を殴るなどの暴行を繰り返した。隊員は自殺の2日前、元上司に「(1曹の)指導に耐えられない」と相談し、配置換えを願い出た。これを受けて護衛艦幹部は自殺の前日、1曹に指導方法を注意した。しかし1曹はその日の夕方も土下座をさせるなど隊員へのいじめを続けた。護衛艦幹部は隊員がバケツを持って立たされているところを目撃したが、止めるなどの対応をしなかったという。
また1曹は昨年12月、男性隊員の携帯電話を持ち去り、自分のロッカーに隠したうえで「新しい携帯電話を契約する代金を預かる」と持ちかけて隊員から4万円を受け取った。この経緯の発覚を恐れ、隊員の自殺翌日には隠していた携帯電話を海に捨てていた。
1日に記者会見した河野克俊海上幕僚長は、護衛艦幹部らについて「誤った対応だった。(隊員は)シグナルを発していたわけだから、もっと深刻に受け止めるべきだった」と述べた。護衛艦の艦長はいじめを把握しておらず、河野海幕長は「認識していなかったことが問題」として更迭したことを明らかにした。海自横須賀地方警務隊は1曹を暴行などの容疑で書類送検する方針。【田中義宏】