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プロ野球コラム
8月29日には不調の炭谷銀仁朗にかわって初のフル出場を果たした森友哉。西武の正捕手へ、そして日本を代表するスラッガーへの道は始まったばかりだ。
photograph by NIKKAN SPORTS
野球クロスロード

大阪桐蔭、西武で育まれた積極性。
森友哉が進む「打てる捕手」の道。

田口元義 = 文

text by Genki Taguchi

photograph by NIKKAN SPORTS

 堂々と打席に向かい、豪快に打球を飛ばす。その立ち振る舞いには、とても19歳とは思えない貫禄が漂っている。

 森友哉はそのパフォーマンスで、瞬く間に西武ファンの心を鷲掴みにした。

 プロデビューとなった7月30日のオリックス戦で、いきなり初打席に初安打をマークすると、8月14日のオリックス戦ではプロ初アーチを逆方向のレフトスタンドへ流し込み、技術の高さを印象付けた。

 ここまでなら、過去にいくらでも前例がある。森が周囲の度肝を抜いたのは、むしろその後のパフォーマンスだった。

 翌日の15日の日本ハム戦ではライトへ強烈な一発を放ち、さらに翌日にはセンターバックスクリーンへ叩き込んだ。史上2人目となる高卒新人による初本塁打からの3試合連続本塁打。1年目からアーチを量産した清原和博や松井秀喜ですら辿りつけなかった領域に、森はわずか9試合で到達したのだ。

 ここまで18試合に出場し、打率4割1分7厘、3本塁打、4打点(8月31日現在)。「並のルーキーじゃないね」と、田辺徳雄監督代行が嘆息を漏らすのも無理はない。

 たとえば、追い込まれても逆方向に強い打球を放てる対応力。打ちに行ってもボール球を見逃せる瞬発力に、それを引き出す下半身の強さ。森のポテンシャルの高さを挙げればきりがない。

初球からバットを振り切る、という新人離れ。

 中でも、周囲を驚かせているのが新人離れした積極性だ。

 30日のオリックス戦。6回から途中出場した森は、ファーストゴロ、レフトフライと無安打に終わったが、いずれの打席でも初球から豪快にバットを振り切ったのだ。

 この日の打撃を森が振り返る。

「今日はもう、最初から『ファーストストライクを振っていこう』と決めていた。ヒットは出ませんでしたけど、しっかりとバットを振ることができたんで、そこはよかったと思います」

 初球、あるいはファーストストライクからしっかりとバットを振る――。単純明快な心構えではあるが、この迷いなき姿勢があるからこそ、森は高卒ルーキーながら一軍でも臆することなく、自分が目指す最大限のパフォーマンスを発揮することができるのだ。

【次ページ】 プロ入り前から森を支える“大阪桐蔭イズム”。

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