ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)が1日、自社のゲーム機向け新作ソフトを発表、家庭用ゲーム機の年末商戦が早くも幕を開けた。任天堂が振るわない中、今年の注目はソニー、米マイクロソフトの2強対決となる。だが、スマートフォン(スマホ)、クラウドなど急速な技術革新でゲーム専用機の需要は先細りが確実。争いはここ数年が最終章となる可能性がある。
「SCEが市場をけん引する」。1日、ソニーがお披露目した「プレイステーション(PS)4」向け新作ソフトは34作品。ソニー創業者である盛田昭夫氏のおいにあたる盛田厚SCEジャパンアジア社長が年末商戦への意気込みを語った。
今回の発表は4日に予定するマイクロソフトの新型ゲーム機「Xbox One(エックスボックスワン)」の発売にぶつけてきたとの見方が業界では多い。マイクロソフトは新機種を米国で先行発売、前機種の発売時に7本だったソフトを30本そろえ、満を持して日中での発売に臨む。ソニーは年末商戦に向けてライバルへの対抗心をあらわにした格好だ。
任天堂もこれに合わせたかのように、先週末、自社ホームページに病気療養中だった岩田聡社長が登場、10月に発売する新製品をアピールした。ただ、中心は携帯型「ニンテンドー3DS」の改良版で、据え置き型ゲーム機についてはソニー、マイクロソフトの2強対決となる見通しだ。
現状ではPS4が9カ月で累計1000万台を世界で販売、Xbox Oneが5カ月500万台で追う。任天堂の「Wii U」は年明けからの半年で100万台に満たず失速。マイクロソフトがどこまでソニーに迫れるかが注目点になる。
ただ、両社はもう一つの敵と戦わないといけない状況にある。競争の土俵を揺るがすスマホ、クラウドといった技術革新だ。国内家庭用ゲーム機市場は2013年まで6年連続で縮小し、市場規模でスマホゲームに逆転を許した。
現在はゲーム専用機の性能が優れており、ヘビーユーザーを中心に需要は根強い。しかし、半導体や液晶パネルの機能向上でスマホでも高精細な本格ゲームが楽しめる時代が近づいている。
業界では米アップルの「iPhone5S」の性能を「PS2」並みと見る関係者が多い。「今秋にも発売される次期iPhoneは先代の『PS3』並みのゲームが遊べる」(スマホゲーム会社)という。現行のPS4にあと数年で追いつくとの声がもっぱらだ。
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