2014-09-02
評論家・浅羽通明『「アオイホノオ」もいいが、同時代を描くそれ以上の傑作「グミ・チョコレート・パイン」(大槻ケンヂ)も再評価を』
この前のイベントから、浅羽通明氏が「アオイホノオ」に関連しての談。(かなり適当な要約なのでそこはよろしく。後日動画はUPされるかも)
アオイホノオの感想リクエストは、イベントに際しての事前募集で小生がしたもの。
【発言要約】
自分もこの時代の雰囲気の当事者のひとりで、いろいろ分かるところもある。同世代に「あの時何をしていた?」と聞くとSF研だとか漫研だとか、戦時中の「自分は海軍でした」「そうかわたしは陸軍で」みたいな感じで話が通じる。
はじめの部分は「いかにも島本和彦節かな?」という感じでそんなに引き込まれなかったが、途中から面白くなってきたのが
主人公のホノオは、才能がそれほどでも無い凡人なのに「漫画で世に出てやる!!」という一種の野心にあふれている。
しかし、その対極的に描かれる庵野秀明らは、才能はホノオの何倍もあふれているのに「アニメで世に出てやる」という野心がさほど感じられない…
という対比の視点で描かれている点だ。これは面白い工夫で、さらに実感できる思い出がある。
自分は一度、岡田斗司夫氏と昼から深夜まで、喫茶店、ラーメン店、深夜喫茶と場所をかえ、12時間近くぶっ通しで語り合ったことがある。もうそれで今後は別に話さなくてもいいぐらい話しまくった(笑)。
その時、岡田氏は「自分は日本一のSFファンになりたかったんだ」と言ってたのが印象に強く残っている。よく考えりゃヘンでしょ?日本一のSF作家、日本一のアニメ製作者、日本一のSF評論家…それは賞とか売れ行きとかで分かるだろ。
でも日本一のSFファンってなんなんだ(笑)。…だけど、そういう志向、願望というのは確かにあっただろうし、そのへんのことを、「アオイホノオ」の対比的な描写で考えさせられた。
だが。
当時、80年代のその雰囲気やサブカルチャーの勃興を背景にしながら、「まだ何者でもない若者の、自負と劣等感、が生む人間模様」を描く作品としては、先行して……
大槻ケンヂの大傑作「グミ・チョコレート・パイン」がある。
![]()
- 作者: 大槻ケンヂ,江口寿史
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 1999/07/12
- メディア: 文庫
- 購入: 5人 クリック: 109回
- この商品を含むブログ (171件) を見る
大橋賢三は高校二年生。学校にも家庭にも打ち解けられず、猛烈な自慰行為とマニアックな映画やロックの世界にひたる、さえない毎日を送っている。ある日賢三は、親友のカワボン、タクオ、山之上らと「オレたちは何かができるはずだ」と、周囲のものたちを見返すためにロックバンドの結成を決意するが…。あふれる性欲と、とめどないコンプレックスと、そして純愛のあいだで揺れる“愛と青春の旅立ち”。大槻ケンヂが熱く挑む自伝的大河小説、第一弾。
![]()
- 作者: 大槻ケンヂ,江口寿史
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2000/09/22
- メディア: 文庫
- 購入: 3人 クリック: 73回
- この商品を含むブログ (98件) を見る
![]()
- 作者: 大槻ケンヂ,江口寿史
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2006/11/25
- メディア: 文庫
- 購入: 4人 クリック: 66回
- この商品を含むブログ (99件) を見る
![]()
- 出版社/メーカー: CCRE
- 発売日: 2008/06/20
- メディア: DVD
- 購入: 1人 クリック: 74回
- この商品を含むブログ (78件) を見る
![]()
グミ・チョコレート・パイン 文庫版 コミック 1-3巻セット (講談社漫画文庫)
- 作者: 佐佐木勝彦
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/10/12
- メディア: 文庫
- この商品を含むブログを見る
これは90年代の小説全体でいっても、最高傑作のひとつと言えるものでしょう。
ある目的の場所にどうしても急いでいかなきゃいけないが、途中でトラブルが次々と…なんてベタな展開も、実にうまく書いている。私にとっては「文豪のオーケン」と言ったら、ノーベル賞作家でなくこっちのほうだ(笑)
「アオイホノオ」は、果たしてそれを超えられるか。「グミ〜」のほうは、多少時代を80年代に限定しないようにある程度ぼかした工夫なんかもしており、その対比もおもしろい。
とのこと。
https://twitter.com/info98985465
で告知があるでしょう。
- 279 http://pipes.yahoo.com/pipes/pipe.info?_id=e2865be3c3dc7d5dfca1b60500e17c18
- 94 http://pipes.yahoo.com/pipes/pipe.info?_id=e37837a19ca694985bf872e4488721eb
- 93 https://www.google.co.jp/
- 64 http://b.hatena.ne.jp/
- 31 http://reader.livedoor.com/reader/
- 28 http://pipes.yahoo.com/pipes/pipe.info?_id=02db597254ec68550537866a2fca2ce6
- 26 http://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=11&ved=0CFUQFjAK&url=http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20130615/p5&ei=17IEVMH2OoTq8AWri4HgDA&usg=AFQjCNGfbU_QPAwX94GRKHp8JbxcYgfAAA&sig2=8c6B19mQExfMNISZ7TCnsQ&bvm=bv.74115972,d.dGc
- 15 http://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&frm=1&source=web&cd=13&ved=0CGQQFjAM&url=http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20140830/p1&ei=xLEEVI-pDMPe8AWwoYL4DA&usg=AFQjCNHONEaqAxYDrUH5d8hJ9jiLmaKOlQ&bvm=bv.74115972,d.dGc
- 14 http://nhbnews.mond.jp/nhbnews/bloglink.html
- 14 http://www.google.co.jp/
マンガ原作者の小池一夫氏がゲスト。マンガ家、原哲夫、高橋留美子、板垣恵介らを育てたエピソードや、キャラクター創作の技術を紹介。
また氏が指導する創作専門学校にも潜入。
再放送は5日(金)深夜2時ー2時25分。
さあッ、みンなで見るンだ!
http://togetter.com/li/173129