のむラボ日記

自転車工房「のむラボ」のブログです

ノヴァテック SL赤ハブでのむラボホイール5号を組みました  

今日もホイー(以下略)。
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お客さんからTniエボライトハブと同等品(というより元ネタ)である
ノヴァテック 291SLフロントハブと 482SLリヤハブをお預かりしました。
赤いのはちょっと珍しいです(別に普通に入手できるものですが)。

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Tni旧エボハブには フランジ穴より内側の肉抜き穴はないのですが、
同等品の482ハブは 反フリー側のフランジ穴の半分の数だけ肉抜き穴がありました。
24Hハブなら 片側12Hの内側に6ヵ所といった具合です。
最初見たときは 応力逃がしの為なのか ある種の2:1組みをするとき用なのか
分からなかったのですが、単に軽量化のためだけだったようです。
482SLハブとなってからは 左右フランジにスポーク穴と同じ数だけ
肉抜き穴が設定されました。
フロントの291SLハブも 28Hと32H以外は同様の肉抜き穴があります。
ノヴァテックの場合はエアロスリット穴になっているので 肉抜き穴との兼ね合いが
なんとなく やばそうですが、スポークの引っぱり方向ではないので
大丈夫なのでしょう。

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リヤハブのフリーボディは、スプラインに スプロケット噛み込み防止の鉄板が
貼り付けてあるアンチバイトガード仕様の赤フリーボディに交換しました。
これもお客さんのお持ち込み分です。

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前輪が組めました。

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20H CX-RAYヌポークラジアル組みです。

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後輪も組めました。

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24H 半コンペヨンロク組みです。
結線は あとでやります。

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お客さんの希望で赤ニップルにしました。

category: のむラボホイール

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ホンフゥのカーボンチューブラーリムでホイールを組みました  

今日もホイー(以下略)。
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お客さんからホンフゥのリムをお預かりしました。

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今日のはチューブラー仕様で つや無し仕上げです。

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ハブはBITEXっぽいものを お預かりしています。

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リヤハブはリーフハブに酷似していますが、
ハブ胴形状のバテッド具合などが少し違うようです。

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フランジ幅と 左右のハブフランジ寸法は同じです。

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左フランジより外側の部分の ハブ胴とエンドキャップの
寸法の割合が違いますが、足した長さは同じです。

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フリーボディのシールも同じ、
スプラインの加工も よく似ています。

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前輪が組めました。

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20H CX-RAY反ヌポークラジアル組みです。
ワイドフランジハブなのでヌポーク組みすれば 理論上最強フヒヒとなるのですが、
フォークブレードとの干渉問題が起こりえるのと
リム高がヌポークに不向きな高さギリギリといったところなので
反ヌポーク通しにしています。

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後輪も組めました。

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24H 半コンペヨンロク組み結線ありです。

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これもほぼ 結線要らずですね(しましたが)。
結線の作業中、した部分と していない部分を握り比べましたが
普段組んでいるホイールほどの差は ありませんでした。

category: のむラボ日記

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先ほどのホイールについて補足など  

という表題ですがホンフゥに関係あったりなかったり。

その1
先日組んだLWC謎のカーボンWOリムに
「これ以上 外周部にはブレーキシューをセッティングするな」という
ステッカーがブレーキゾーンに貼られていましたが、
これについて「カーボンWOリムなら 全てそうしたほうがいいのでしょうか?」
という趣旨のコメントをいただきました。
メーカーが そう指定している意図が分からないので
他社製品にまで あてはまるかどうかは分かりませんが、
私なりの考えを書いてみます。
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当店にいま ブレーキシューを新品に交換したばかりの
バイクがあるのですが、シュータッチ時の シューの位置は
リムのブレーキゾーンの上端ギリギリながら
かすかな隙間が均等に空いている状態です。

これは私がセッティングしたわけではなく、
リヤブレーキなので フネを外さずともシューが交換できるので
ただブレーキシューを交換しただけです。

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で、外したシューなのですが

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段付きに減っています。

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シューの上に タイヤサイドのピンク色が削れて乗っかっているので
リムの上端以上にシューが突っ込んだことは明らかです。

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これはリヤの右なので
ブレーキアーチがデュアルピボットブレーキの場合
Cアーム側になりますが、

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Cアームはすくい上げるようなストロークで動作するので
シューが磨耗してくると シュータッチ位置が上にずれていきます。
詳しくは(→こちら

それで 段付き磨耗が起こるわけですが、これを防ぎたいのであれば
シューの磨耗に対して シューがタッチする位置が変わってくるということを
知ったうえで、減りに対して位置を調整する必要があります。
ということを説明するより「このステッカーより下でシューをセットしろ」
と指示するほうが確実に シューがリムの上端に突っ込むのを防げます。

シューがリムの上端に突っ込むこと自体は
リムの材質(アルミや カーボン)に関わらず起こることであり
シューがタイヤサイドに擦ること自体で リムが傷むとは考えにくいのに、
あえて指定をしているのは リムの端っこに熱を持たせるのを
防ぎたいからではないでしょうか。
例えばENVEのリム(特にEDGE時代の軽いリム)ですが、
座屈でふくらんだという事例が 私の知る限りでもたくさんあります。
ただそうなった状況を詳しく訊くと、ほとんどの場合
ブレーキ熱でリムが温まっていたときに起こっています。
なのでENVEのリムは座屈に弱いというより
「熱+座屈」という条件が重なったときに
弱いというほうが より正確です。
コリマのカーボンWOリムは サハラ砂漠でテストを重ねたそうですが、
これも 熱を気にしてのことだそうです。
WOリムのビードフック(タイヤを引っかける耳)は
そもそも座屈に対して弱い形状ですが、
厚みから考えて熱持ちもしやすそうなので
メーカーが シューの当たる位置を内周部寄り指定するのは
そのあたりの事情なのではないかと思います。


その2
ホンフゥのリムについて
「中華カーボンって どうよ?」というような
十把一絡げな質問をされたことがありますが、
カーボンリムはメーカーによって
組み方に気を使うポイントが 違います。

例えばリムの内周側の精度(厚み)ですが、
私の知る限り最高に正確なのはENVEです。
次点でエキノックス(のむラボホイール2号も これ)です。
これらのリムは決まった数だけニップルを回した仮組み状態で、
縦振れが ほぼ出ないのです。

で、ホンフゥですが
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↑見ての通り ニップルの出しろが位置によって違います。
ホンフゥの この点は擁護できません。
仮組み時の縦振れも 他メーカーのリムより大きく出ます。
ではこれが中華カーボンリム全般に見られる傾向かというと、
そうでもないのです。
ホンフゥだけです。
ただ「最も薄い部分でも そもそも非常に厚い」という安全マージンの取り方を
しているので リム側の限界にビビる必要がない点は 気が楽です。
リム高なりの重量で見た場合 明らかに重いのも
限界スポークテンションの高さと 耐座屈性能を思えば 欠点とも言い切れません。

ニップルの出しろが 穴によって違うというのは、
例えばアルミリムなら 製法上の都合で
継ぎ目の両隣がそうなっているものもあります。
キンリンのリムも 実はそうです。
ただ、ホンフゥの場合は そのばらつきが全くランダムなので
厚みの下限を大きく取っているからいいものの
精度が良いとは言えません。

ホンフゥというのはメーカーなので
「ホンフゥのリム」というものにある種の傾向があると言っていいのですが、
メカニコやLWCというのはカーボンリムの代理店であって
製造元は まちまちなので 例えば「メカニコのリム」全てに
共通した傾向があるわけではありません。

同様に「中華カーボンリム」全般に共通した傾向というのはありません。

割れないかどうかビビりながら 薄氷を踏むような気持ちで組む必要のある
リムもありますが、ホンフゥのリムは これに当てはまりません。


その3
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EDGE1-25の初期型、公称195g(実測208g)のリムのカットサンプルです。
これは先ほど書いた「熱+座屈」で 壊れたリムの一部です。

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それはいいとして・・・。
4代目ニップルをスポークの先に付けてみました。

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増し締めしろを勘案して ねじ山を使い切ったどん突き状態を
確実に避けるなら、これでも十分な数のねじ山にかかっています。

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EDGE・ENVEのリムは内周側の穴の厚みが非常に薄いので、

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世代ごとに異なるニップルの長さなど 条件次第では
ホイールを組み終えた状態で スポークのねじ山がリムから見えることもあります。
また、私がスポークカッターから転造した ねじ山の山数が
メーカーの そもそもの山数より多い場合があるので(逆は無いはず)、
私の組んだEDGE・ENVEはスポークが短く見えることがありますが
むしろビビって かすかに長めにしているくらいなので問題はありません。

category: ホイールの話

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ホンフゥのカーボンWOリムでホイールを組みました  

今日もホイー(以下略)。
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お客さんからホンフゥ(Hong Fu)のカーボンリムをお預かりしました。
WO仕様です。つや有りなのは、最近出たモデルらしいです。

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安全マージンのカタマリみたいなリムですが、
それもあってかリム幅が非常に広いです。
2本重ねると よく分かりますが、現行のZIPPのようにブレーキゾーンの部分が
リムの外周部に向かってかすかに細くなっています。
最も太い部分の幅は実測で26.4mm、
最外周部は24.0mmでした。

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↑スポークテンションは180kgfまで張れるそうですが、
スポークやニップル側の条件が それを許すほどではないので
リム側の限界スポークテンションは事実上 上限無しです。

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ハブはお客さんお持ち込みのHB-7400のスリット穴仕様です。

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穴数は18Hです。

このデュラエースの時代のセカンドグレードの
600(今のアルテグラに相当)の ハブにも18H仕様がありましたが、
それは当時たいへんお世話になりました。
シマノのハブは そもそもラジアル組み禁止で、
7700時代の5500系105の 5501ハブ、
のさらにマイナーチェンジモデルの「5501-A」が
ロードのハブでラジアル組みOKになった最初のハブです。
デュラエースとしては7800系が最初になります。
が、18H(片側9H)のフロントハブは
タンジェント組みだけで組むことが不可能なので
ラジアル組みせざるを得ません。
ЖЖЖ組みやXIXIXI組みなどのエキゾチックな組み方を
するくらいなら |||||||||組み、つまりラジアル組みをしたほうがいいでしょう。
というわけで反ヌポークラジアル組みで 組むことにします。

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余談ですが、シマノはなぜか「20Hのフロントハブ」というのを出しません。
ほぼ何でもありだった7700ハブの時代ですら そうです。
現行のHB-9000も 18Hの次は24Hになります。
手組みホイールで この点が機会損失になることがけっこうあります。
「フロントリムに20Hはあるけど18Hはない」という カーボンリムもあるので。
思えば9000のハブでホイールを組んだことは何度もありますが、
時代なのか そのほぼ全てがカーボンリムでした。
9000の32Hハブでローハイトアルミリムを組んだことは ほとんどありません。

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リヤハブはFH-6600をお預かりしています。

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これが「デュラエースグレード以外で最後に出ていた24Hリヤハブ」になります。
先日「なぜシマノハブでのむラボホイールを出さないのか?」という趣旨の
コメントをいただきましたが、答えは単純で「24Hハブがないから」です。
フロント20Hが欲しいところですが、無理ならせめて前後24Hでいいので
アルテグラか105で出ていてくれれば 当然採用します。
今ならリヤハブが11S対応なのは必須条件ですね。
(このFH-6600はフリーボディが11S化出来ませんが、
お客さん側の現状の事情では問題はありません)

カートリッジベアリングの中のボールというのは
ハブによっては仁丹みたいな大きさのものもあるのですが、
シマノハブのような カップ&コーン式で
大きなボールのベアリングのほうが 一般に耐久性が高いです。

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組めました。

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CX-RAY 反ヌポークラジアル組みです。
フロントハブですが、お客さんのほうで グリスアップと玉当たりを
かなり詰めた状態で持って来られているのですが、
ホイールを組むと(フランジが引っぱられると)玉当たりが 軽く甘くなるので
玉当たり調整は 本当はホイールの状態でないと出せません。
で、回転があまりに軽くて かす~かにガタらしきものが出ています。
微妙なところですが、もしこれが私のホイールだったなら
レース専用なら このまま使う、
常用する予定なら もう少しだけ締めるといったところです。

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後輪はフリー側ストロング/反フリー側CX-RAYの
ヨンロク組み結線ありにしました。
お客さんの希望ではフリー側はチャンピオンをご希望だったのですが、
さらに攻めてストロングにしました。
ものすごく極端な例を除けば
事実上の左右異径組みの最大差の組み合わせになります。
久しぶりに書きますが、結線 要らないかもと思うくらいに
反フリー側が張れました。フヒヒ。
1ヵ所だけ 結線せずに、お客さんに交差を
にぎにぎしてもらってもよかったかも知れません。

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↑バテッド部分がちょうど交差部分にかかりました。
これ、黒スポークだったり 反フリー側だったりした場合
かなり大きな音鳴りの原因になります。
フリー側で銀スポークなので 多分大丈夫だと思いますが。

「黒スポークならともかく銀スポークでカキカキ鳴るの?」と
思われるかもしれませんが、
昔 反フリー側でレボリューションのバテッド部分が たまたま擦ったときは
かなりひどい音鳴りが出ました。

category: のむラボ日記

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レーシング1 2WAY-FITさん  

お客さんから レーシング1をお預かりしました。
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前輪は 振れ取り台にかける前に
ハブを開けざるを得ない違和感を感じたので
先にそちらを見ました。

センターが かすかにずれていましたが
それを知ったうえで振れ取りすれば無くなる程度だったので
大した問題ではありません。

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ベアリングは、片側だけが 錆びで終わっていました。
ボールレースも少し虫食っていたので これ以上使えば
悪くなることはあっても 良くなることは決してありません。
というわけで片側のみベアリングを交換しました。

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後輪はかすかな振れがあった以外は
センターバッチリ、ハブのガタなし、右エンドナットのゆるみなしだったので
作業はすぐに終わりました。
後輪は お客さんのほうでハブのメンテをしたそうですが、
回転が濁りなくスムースで 軽さもそこそこなので 何もしていません。

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