ライフスタイル
敵対する人が味方になる、対人関係の5つの原理
仕事や人生を大きく左右する人間関係。
誰とでもうまくいくにこしたことはありませんが、ときには対立してしまうような人間関係もあるものです。
経営コンサルタントであり、対人関係の技術を伝授している作家であるボブ・バーグ氏も新たな著者『敵を味方に変える技術』で「人生の成功は1割が専門技術で、9割が対人関係である」と言っています。
そして、彼の書籍にある、人間関係を円滑にするのに有効な「日々のストレスを軽減して人生をより快適にし、より大きな恩恵を得るために、すぐ実行できる5つの原理」が、兄弟サイト「ライフハッカー[日本版]」で紹介されていました。
自分の感情をコントロールする
感情に基づいて自分を正当化すると、なかなか思うように人を動かすことができなくなるもの。感情はすばらしい人生に不可欠な要素ではあるけれども、それをコントロールすることが重要だというわけです。逆にいえば、自分の感情をうまくコントロールし、しかも相手の感情を大切にできれば、人を動かす力は飛躍的に伸びることになります。
「ライフハッカー[日本版]」より引用
まずは、感情をコントロールすることが先決。これができないと、続いて紹介する4つのことを心がけることが難しくなります。
お互いの信念の違いを理解する
どんな人も、しつけ、環境、教育、マスメディアからの影響、交友関係などの組み合わせによって形成された独自の世界観、いわば「信念体系」を持っているもの。しかもその本人は、他人が自分と同じような世界観を持っていると信じ込んでおり、当人はそれにまったく気づいていないといいます。
「ライフハッカー[日本版]」より引用
必ずしも相手の信念を理解する必要はなく、「自分と相手の信念は大きく異なっている」ということを認識することが大切だと言っています。
相手のプライドを尊重する
つまるところ、プライドとは自尊心。どんな人でもプライドを持っているから、それを傷つけてしまったら相手を味方につけるのは難しいといいます。別の角度から考えれば、相手を味方につけられるかどうかは、95%の確率で相手のプライドをどれだけ尊重するかにかかっているということ。
「ライフハッカー[日本版]」より引用
相手の賛同を求めたいなら、相手のプライドに最大限の注意を払うことが大切とのことです。
適切な雰囲気をつくる
店で、客がレジ係に「店長を呼べ!」と怒鳴っている。現れた店長は落ち着いているように見えるが、これから戦う準備をしている様子がわかる。一方、客がイライラを抑え、レジ係に「お忙しいところすみませんが、店長とお話をさせてもらえないでしょうか」と静かな声で言うとする。すると現れた店長は、大変上品な客だと聞かされていたため、落ち着いて建設的な話をするつもりで客にアプローチする。お客はやさしい笑みを浮かべ、時間をとってもらえたことに対するお礼を言う。店長は感動し、どうすればこの上品な客に喜んでもらえるかを考える。
「ライフハッカー[日本版]」より引用
後者のように、積極的に適切な雰囲気をつくれば、建設的な話し合いを始めることが可能になるといっています。適切な雰囲気をつくることは、人を動かす達人になるための重要なステップになるとのこと。
共感を示して気配りを心がける
気配りとは、相手の抵抗をやわらげて考えを受け入れやすくするような方法であり、なにかを言う能力のこと。ほとんどの人は相手のプライドを傷つけて反感を抱かせてしまいがちですが、共感を示して気配りを心がければ、相手は提案を素直に受け入れ、それに基づいて行動してくれる可能性が高くなるといいます。
「ライフハッカー[日本版]」より
「気配り」という日本人になじみのある言葉が出てきてちょっと、驚きました。敵対してしまうような相手にこそ必要なんですね。
たった5つの原理で、しっくりしなかった人間関係も改善の方向に向かうかもしれません。また、クライアントや顧客とのやりとりなどでも参考にできそうです。
Contemporary Business People Working Together in Office via Shutterstock
(文/編集部・若松)
- 敵を味方に変える技術
- ボブ・バーグ|ディスカヴァー・トゥエンティワン
- 嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え
- 岸見 一郎,古賀 史健|ダイヤモンド社