日本の安倍晋三首相とインドのモディ首相は1日、東京で首脳会談を行い、軍事・経済面での協力を強化することで合意した。
両首脳は日本の海上自衛隊とインド海軍の共同訓練を定例化するほか、日本の救難飛行艇「US2」の輸出など防衛装備分野での協力強化も決めた。両国の軍事協力の強化は中国をけん制するのが狙いとみられる。インドは最近、国防予算を12%増額するなど、中国を念頭に置いて軍の現代化作業に本格的に着手している。
安倍首相は会談で、集団的自衛権について「日本が世界の平和に積極的に寄与するためのもの」と説明。これに対しモディ首相は「地域と世界の平和・安定に貢献するだろう」と支持を表明した。安倍首相は中国を意識し「日本とインドはアジアの2大民主主義国家」だとして、今回の会談を両国関係のさらなる強化につなげたいとの意向を強調した。両国は国連安全保障理事会の常任理事国入りについても協力することで一致。日本とインドは共に、国連安保理の常任理事国入りを目指している。
安倍首相は今後5年間、インドの鉄道・道路建設、農村・漁村開発に政府・民間部門から総額3兆5000億円の投融資を行うことを約束。モディ首相は「日本からのインドへの投資を支援するために、税制・行政面での規制を積極的に改善したい」と応じた。
両首脳はインド産レアアース(希土類)の共同生産でも合意。レアアースは日本が得意とする液晶ディスプレー(LCD)、精密モーター、バッテリーなどの生産に必要だ。日本は現在、レアアースを主に中国に依存している。