古物商「まんだらけ」(東京都中野区)の店舗で漫画「鉄人28号」(販売価格27万円)のブリキ製人形が万引された事件は、千葉市の男(50)が警視庁に窃盗容疑で逮捕され、一区切りがついた。男の顔にモザイクをかけた画像を公開し、期限内に返還しなければ素顔をさらすと警告したまんだらけの対応には賛否両論があったものの、「万引犯の罪悪感が薄いことは事実」(捜査関係者)。推計で800億円を超える被害(平成25年度)にモラルの欠如を指摘する声は根強く、再発防止に向けた模索が続いている。(中村翔樹、宇都宮想)
男を任意同行するため、8月18日夜に千葉市内の自宅近くで張り込んでいた捜査員は、男が周囲の目を気にする様子もなく、平然と帰宅してきたことに驚きを隠さなかった。「罪の意識にさいなまれているようにはとても見えなかった」(捜査員)という。
まんだらけがホームページや店頭に、「12日中に人形を返さなければ、モザイクを外した顔写真を公開する」という警告文を掲載したのは5日。7日ごろからは全国紙などで大々的に報道され、18日の時点ではその対応をめぐって賛否が分かれるなど世間の高い関心を集めていた。
男は父母と3人暮らしで、肉体労働のアルバイトで生計を立てていたが、犯行後もアルバイトを休むことはなく、普段通りに生活していた。盗んだ人形はいったん自宅に持ち帰り、高く買い取ってくれる店を電話帳などで探し、7日に現場近くの別の古物商で6万4000円で売りさばいていた。
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