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日本ハム・稲葉が今季限り引退へ 故障で42歳の決断 2日に発表

スポニチアネックス 9月2日(火)5時31分配信

 通算2162安打をマークしている日本ハム・稲葉篤紀内野手(42)が今季限りで現役を引退することが1日、明らかになった。2日に発表される。プロ20年目の今季は開幕直後に左膝を手術。7月に戦線復帰したものの、ここまで23試合の出場にとどまっていた。侍ジャパンの4番も経験し「稲葉ジャンプ」でファンからも愛されたスラッガーが、ついにバットを置く。

【写真】ファンが一斉に跳びはねる「稲葉ジャンプ」は球界名物に

 12年に史上39人目となる2000安打をマークした稲葉も、故障には勝てなかった。打撃コーチを兼任した昨季は自己最低となる打率・203に低迷。今季は選手一本に戻って「結果を残せなければ、辞めなくてはならない」と覚悟を口にして臨んだが、自主トレ中に左膝の違和感を覚えて暗雲が漂った。

 開幕直後の4月には左膝関節軟骨損傷のクリーニング手術を決断。約3カ月のリハビリを経て、7月12日のソフトバンク戦(札幌ドーム)で復帰。8月14日のロッテ戦(札幌ドーム)で今季1号を放つなど、ここまで23試合で47打数13安打の打率・277、出塁率・370と完全復調の兆しは見せていた。

 「代打の切り札」としては十分過ぎる成績だが、走攻守で全力プレーを見せるのが稲葉の信条。ゴールデングラブに外野手として4度、一塁手でも1度輝き、攻守交代ではベンチから守備位置まで全力で走る姿にもこだわってきた。だが、現役野手では45歳の中嶋(日本ハム)、43歳の谷繁(中日)に次ぐ古株も先月3日で42歳。左膝は思うような回復を見せず「1軍に昇格してから(良くなったり、悪くなったり)あまり変わっていない」と漏らすこともあった。加えて、若手選手が一本立ちしてきたチーム状況も引き際を決断する要因となった。

 決してエリートではなかった。中京(現中京大中京)時代は甲子園に出場できず、94年ドラフトは3位でヤクルトに入団。3度の日本一に輝いてメジャーでプレーすることを夢見て、04年オフにFA宣言したがオファーはなかった。所属球団がなくなりそうなところで05年2月、日本ハムに拾ってもらった恩を強く感じた稲葉は北海道に骨をうずめると決めた。06年には打率・307、26本塁打で日本ハムの44年ぶり日本一に貢献。07年首位打者、08年は北京五輪、09、13年WBCにも出場し、侍ジャパンの4番も任された。また「優勝請負人」として、ヤクルトで野村、若松、日本ハムでヒルマン、梨田、栗山と、仕えた5人の監督全てを胴上げしている。

 本拠地・札幌ドームでは得点圏に走者を置いて稲葉が打席に入ると、ファンが一斉に跳びはねる「稲葉ジャンプ」は球界名物となった。そんな光景が見られるのも今季限り。今後については未定だが、将来的には指導者として期待されている。

 ◆稲葉 篤紀(いなば・あつのり)1972年(昭47)8月3日、愛知県生まれの42歳。中京(現中京大中京)から法大を経て、94年ドラフト3位でヤクルト入団。05年2月に日本ハムに移籍した。ベストナイン、ゴールデングラブ賞をそれぞれ5度受賞。12年に2000安打を達成した。13年はコーチ兼任、今季から再び選手専任となる。08年北京五輪および09年、13年のWBCで日本代表。1メートル85、94キロ。左投げ左打ち。

最終更新:9月2日(火)7時34分

スポニチアネックス

 

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