フランスがミストラル級強襲揚陸艦2隻を12億ユーロでロシアに売却する契約はこの夏大きな注目を浴びたが、ノルウェー企業がロシア国営石油ロスネフチと海上石油掘削装置(リグ)を提供するさらに大規模な契約を交わしたことは、欧州連合(EU)による経済制裁の限界を示している。
ノルウェーの石油産業の中心地スタバンゲルに拠点を置くノース・アトランティック・ドリリング(NADL)は7月末、ロシア北極圏で2022年までリグ6基を運営する42億5000万ドルの契約をロスネフチと交わした。
この契約は北極圏での石油探査で使われる技術の輸出を禁じるEUの経済制裁を免れた。制裁が施行されたのは8月1日だったからだ。両社は8月に入り、ロスネフチが陸上リグや現金と引き換えにNADLの株式30%を取得する合意も締結。これも現行の制裁の対象外となる。
NADLのアルフ・ラグナル・ロブダル最高経営責任者(CEO)は、1年以上にわたり取り組んできた創業以来最大となる今回の契約に悪びれた様子もない。
ロブダル氏はフィナンシャル・タイムズ紙に対し「私の行為はビジネスで、規則や規制、制裁の枠内で実施している」と強調した。
今回の契約に対する批判は比較的目立たない。ノルウェーの野党・自由党の幹部は7月末、「現状では、ノルウェー企業はロスネフチ(との契約)を避けるべきだ」と苦言を呈した。
だが、ロブダル氏は自らは政治家ではなく、ビジネスマンにすぎないと主張。「地政学的状況をかじ取りするのは私の仕事ではない。それを尊重はするが、可能であれば事業を行う」と話した。
■制裁がサプライヤーに及ぶ可能性
これは確かに実入りの良いビジネスだ。NADLのリグ「ウエスト・アルファ」は現在、ロシアのカラ海でロスネフチとエクソンモービルとの合弁会社向けに操業している。請求額は1日あたり55万2000ドルで、22年までの契約となる。
今回の契約にはシンガポールで建造中の「ウエスト・リゲル」など5基のリグが今後建造される見通し。1日62万8000ドルでまもなく稼働する掘削船「ウエスト・ナビゲーター」は15~20年にロスネフチ向けに操業する予定だ。
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