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【プロ野球】

横山 史上初プロ初登板1球勝利

2014年8月31日 紙面から

楽天−ソフトバンク 初登板を球数わずか1球で勝利投手となった楽天のルーキー・横山=コボスタ宮城で

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◇楽天9−4ソフトバンク

 楽天が終盤に逆転勝ち。1−2の7回、8長短打に押し出し四球など、打者13人の猛攻で8点を奪った。3番手の新人、横山は史上初となるプロ初登板での1球勝利となった。ソフトバンクは中田、森福ら投手陣が踏ん張れなかった。

 『豪運』のルーキーが出現した。楽天のドラフト6位、横山(早大)が史上初となる珍事の主役になった。プロ初登板で1球勝利。しかも、安打を打たれて走塁死でイニング完了。1人の打者も打ち取れずにウイニングボールを手にした。

 「うれしいですけど、それ以上に恥ずかしい気持ちです」。誰よりも驚いていたのは、横山自身だった。同点の7回2死二塁で登板。緊張の初球は140キロの外角直球。これが中前打となり、勝ち越し点を奪われた。ほろ苦いデビューになるはずが、打者走者の今宮は二塁を狙って憤死。これが運命を変えた。

 その裏、事態が急変する。攻撃陣が大爆発。8安打を集中して一気に8点を奪い、逆転に成功した。まさか、まさかの初勝利。大学時代は血行障害などにも苦しみ、わずかに2勝。2軍でも未勝利の右腕が、『棚ボタ』の1勝を挙げた。

 9回に猛攻を浴びて怒り心頭の星野監督も、横山の話題には思わず噴き出した。「あんなもの初勝利と言わないんだ。でも、何か持っているんだろうな。1球で、打たれて…。フフフ。運の良いヤツだな」

 とはいえ、横山にとっては貴重な1勝だ。福島・浪江町出身。中学時代の恩師は津波にのまれ、家族は福島第1原発から20キロ圏内にある実家を離れて同県伊達市に避難している。「僕は被災地代表」。球史にも名を刻む初勝利が、苦しい過去を一瞬でも忘れさせる出来事になることを願った。 (井上学)

 

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