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【スポーツ】

<首都スポ>エアロビック界のアイドル 斉藤瑞己

2014年9月1日 紙面から

トリオを組む(左から)金井拓海、斉藤瑞己、北爪凜々。後ろはSKJエアロビッククラブの後輩たち=群馬県太田市の金山青年の家で(戸田泰雅撮影)

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 日本のみならず、国際エアロビック界のアイドルとして将来有望な高校3年生が群馬県太田市にいる。今年から国際大会のシニアデビューを果たした斉藤瑞己(17)=SKJエアロビックアスリートクラブ=だ。シニア部門初出場となった4月のスズキワールドカップ(W杯)2014でいきなりの初優勝。1996年の野村健一郎以来、日本人選手として18年ぶりの快挙を成し遂げ、一躍「時の人」になった。 (フリージャーナリスト・辛仁夏)

 テンポのある音楽に合わせながらリズミカルに弾む引き締まった肉体。軽快できびきびした動きで繰り出される力強くダイナミックな演技は、まさにチャンピオンにふさわしい。161センチと小柄な斉藤が、「小さな巨人」(杉原良依コーチ)のごとく、本当に大きく見えた。8月18日にSKJの設立20周年記念発表会の冒頭を飾るチャンピオンズ・デモンストレーション。4月のW杯で結果を残した演技を堂々と披露した。

 「W杯での初優勝は、自分でも驚きました。シニア初出場でプレッシャーもなく、失敗してもいいと思い切った演技ができ、しっかりまとめられたのが勝因でした」

 そう振り返る斉藤を訪ねたのは、猛暑のさなか。森の中にたたずむ冷房設備もない体育館で黙々と入念にストレッチし、練習に励んでいた。現在は太田東高に通い、地元の国立大学入学を目指して受験勉強をしながら、エアロビック中心の生活を送る毎日だ。

 「日常的にエアロビックのことを考えています。『努力に勝る天才なし』という言葉がありますが、努力した者が報われるので、結果だけでなく、その過程が大切だと思って取り組んでいます」

 3歳のときに保育園でキッドビクスを教えていた杉原コーチと出会い、5歳からスクールに通い始め、7歳で競技クラスに入ってのめり込んだ。杉原コーチは「小さい時からずっと弾んで動いている元気な子だった。エアロビックの特性に合った感覚の優れた選手。武器は並外れた集中力と体幹の強さ。アドバイスを聞いて考える素直さもある」と素質の高さにほれ込む。

 国内外のエアロビック界で注目される逸材は、今年一番の目標だった6月の世界選手権(メキシコ)でメダル獲得にあと一歩まで近づいた。予選4位で進出した決勝では大技ダブルイリュージョンで転倒して7位に終わったが、「初めて経験したシニアの世界選手権で大失敗したが、すがすがしく負けることができたので、また一から出直しという気持ちでいます」と、2年後の大会で雪辱を期す。

 その一方で、手応えと自信はつかんだ。これまで経験したことのない雰囲気の中で納得のいく演技ができ、あこがれの選手たちから「ミズキは未来のレジェンドだ」と絶賛されたからだ。

 「次の世界選手権、2017年のワールドゲームズに向けて、着実にレベルアップしていきたいです。来年はワールドランキングを得るために世界ツアー大会に出て、トップ選手たちと交流して顔を売る計画です」

 競技者としての最大の目標は「ワールドゲームズで金メダルを取ること」。20歳で迎える集大成の大舞台に向け、勇往まい進する覚悟だ。

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 首都圏のアスリートを全力で応援する「首都スポ」面がトーチュウに誕生。連日、最終面で展開中

 

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