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英に逸材16歳「夢は日本のフル代表」
サイ・ゴダード(3月18日)
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【スポーツ】伝説エースだ松井、1047球V 50イニング完封+6連続K締め2014年9月1日 紙面から
◇全国高校軟式野球日本野球史を塗り替える死闘の果てに待っていたのは歓喜の輪と深紅の大優勝旗だった。第59回全国高校軟式野球選手権は31日、兵庫県明石市の明石トーカロ球場で最終日を行い、決勝では中京(東海・岐阜)が2−0で三浦学苑(南関東・神奈川)を下し、2年ぶり7度目の優勝を達成した。中京はこの日のダブルヘッダーで延長46回から再開された崇徳(西中国・広島)との準決勝で延長50回表に勝ち越し、3−0で決勝に勝ち上がった。中京の松井大河投手(3年)は50イニングを完封、決勝でも4回途中からリリーフに立ち、大会を通じ1047球を投げ、自責点は1回戦の河南戦での1のみ。防御率0・12で大会を終えた。 体は限界を超えていた。それでもありったけの力を振り絞って投げた松井の通算1047球目、「本当に気力を出して、残っている力を全部使って気持ちで投げた」というスライダーに三浦学苑の打者のバットが空を切る。6者連続三振というど派手な形で優勝に花を添え、松井は7日分の思いを吐き出すかのように天に向かって全身で雄たけびを挙げる。 「今は日本一を勝ち取ったうれしさで疲れもない」。重圧、疲労から解き放たれ、最高の笑顔を見せた。 実に4日間をかけ、通算50イニングを投げ抜いた準決勝から2時間28分後に行われた三浦学苑との決勝。4回表1死二、三塁のピンチで、大歓声に迎えられリリーフのマウンドに立った。「いつでも行ける準備はしていたし、あれだけきつい試合が終わってからも集中力は切らすことなく臨めた」。女房役の西山が三塁走者をけん制で刺す好プレーもあってピンチをしのぐと、その後は50回の延長を投げきった直後とは思えない快投だった。 負けられない理由があった。死闘を繰り広げた崇徳戦。ともに50回を投げきった石岡が三塁側の中京スタンドで応援してくれていた。準決勝終了後には「すごいな。オレらの分も優勝してくれ」と声をかけられ、絶対に優勝すると気持ちを新たにした。「これだけ投げ合えて、お互い譲らず本当にいい経験ができた。いい仲間。応援は心強かった」と松井。ライバルであり戦友の思いも背負い、力ももらってのマウンドだった。 もう1つ、胸に秘めている思い出があった。軟式を続けるか硬式に進むか迷っていた中学3年のとき。中京の平中亮太監督(33)からある贈り物とともに勧誘された。「君と一緒に全国制覇しよう」とメッセージが記された背番号1のゼッケン。熱意に突き動かされ、華やかな硬式ではなくあえて軟式で日本一を目指す夢を選んだ。 「軟式をやっていてよかった。先生に優勝をプレゼントできてうれしい」。優勝を決めた後は真っ先に監督の胸に飛び込み、男泣きで体を震わせた。ゼッケンは額に入れ「つらいときは気持ちを奮い立たせてくれる」と今でも大切に自室に飾ってある。 日本最長となる延長戦を「記録をつくりたくてつくったわけではないけど、歴史に残る試合ができて光栄だった」と振り返った。準決勝の4日間、10時間18分、50イニング、179打者、35奪三振、26被安打、そして大会通算1074球…。驚異的な数字と熱き恩師、かけがえのないライバル、そして深紅の大優勝旗。そのすべてが松井にとって死闘と引き換えに手にした勲章となって球史に刻まれた。 (川村庸介) PR情報
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