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【ゴルフ】

藤田 涙の地元悲願V 療養中の父・寛実さんに贈る

2014年9月1日 紙面から

今季ツアー2勝目を挙げ、優勝インタビューで涙ぐむ藤田寛之=芥屋GC

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◇KBCオーガスタ<最終日>

 ▽31日、福岡県糸島市、芥屋GC(7150ヤード、パー72)▽曇り、気温26・5度、風速2・9メートル▽賞金総額1億1000万円、優勝2200万円▽62選手▽観衆4778人

 藤田、涙の地元V! 首位と6打差17位から発進した藤田寛之(45)=葛城GC=が、3連続を含む8バーディー、1ボギーの65をマーク。通算12アンダーで並んだ中国の梁津万(36)=中国=とのプレーオフを5ホール目で制して今季2勝目、ツアー通算17勝目を挙げた。福岡県出身の藤田にとっては地元開催試合での初優勝。優勝賞金2200万円を獲得し、今季の獲得賞金が4970万円余りとなり、賞金ランキングも2位に浮上した。

 最終組から7組前でスタートした藤田は2番こそボギーをたたいたが、その後は8バーディー奪取でこの日のベストスコアタイ65をたたき出す猛チャージで、梁津万とのプレーオフに持ち込んだ。

 18番パー5を使っての戦いはパーセーブの応酬。5ホール目で藤田がピン奥3メートルを2パットパー。対する梁がボギーにして決着がついた。「ショットが思うようにいかなくて苦しかった。今回は技術じゃない気がする。自分がパーを取り続けたから梁さんが攻めどころがわからなくなった感じですかね」

 グリーンサイドでのインタビューの時だった。これまで優勝で一度も泣いたことがない藤田が、初めて涙した。「勝ちたい試合の一つだったんで…」といったあと、声を詰まらせ涙がほほをつたった。

 藤田が中学2年の時、父・寛実さん(75)とこの大会を観戦した。これがゴルフとの出合いだった。その寛実さんが数年前、心筋梗塞や脳梗塞を患い、その後は会場に足を運べなくなり、自宅でのテレビ観戦を余儀なくされた。

 今週は2度、実家で両親と食事をともにした。「具合が悪い状態なので…。親のことを言われるとね。心配で…。電話しますよ」。感謝を込めた両親へのうれしい報告となった。

 この優勝で賞金ランキングも2位に浮上。12年に続く、2度目の賞金王も見えてきた。「今は荷が重い。原点回帰の真っ最中。自分の思い通りのところにフェードボールが打てるようになっていない。そこからですね」と藤田。自身の求めるゴルフの道を突き進む。 (櫛谷和夫)

 

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