| 昨年夏、来崎したオリバー・ストーン氏(左)とピーター・カズニック氏=2013年8月7日、長崎原爆被災者協議会
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昨年夏に来日し、被爆地長崎などで精力的に視察と講演を重ねた「プラトーン」で知られる米映画監督、オリバー・ストーン氏の講演録「よし、戦争について話をしよう。戦争の本質について話をしようじゃないか!」が刊行された。米国で浸透している原爆投下の正当化論に異を唱えるストーン氏は、米国を史上最大の軍事大国と批判する一方、戦時の日本軍の加害行為に言及し、正しい歴史認識を学ぶ重要性を強調している。
昨年8月4〜15日、広島、長崎、東京、沖縄を歴史学者のピーター・カズニック氏、平和教育団体代表の乗松聡子氏=カナダ在住=と巡った。同書の「長崎編」は、「自分たちの歴史を知らない日本人」のタイトルで、日米の大学生とのセッション、原水禁世界大会での講演など収録。
同大会でストーン氏は、日本の中国侵略、日韓併合、東南アジアへの侵攻などが学校で十分教えられていないのではないかと疑問を呈し、戦争被害、原爆被害を主張する日本において加害の側面への認識が薄い点を指摘。「歴史を学ぶことこそが、過去の過ちを決して将来に繰り返さない道」と語っている。
乗松氏の同行記など併録。長崎で熱心に見学し、日本外国特派員協会の会見でも紹介した岡まさはる記念長崎平和資料館の高實康稔理事長のコラムも掲載。
A5判190ページ、千円(税別)、出版社の「金曜日」(東京)刊。