【フランクフルト時事】独エネルギー大手RWEは、東京電力福島第1原発事故を受けて独ヘッセン州ビブリスにあるRWEの原発が一時停止されたことをめぐり、停止命令を出した国と同州に損害賠償を求める訴訟を26日までに起こした。請求額は明らかにしていないが、独メディアによると、損失の規模は2億ユーロ(約270億円)超に上るとの試算があるという。
独政府・各州は、2011年3月の福島原発事故直後、老朽化が進んでいたビブリスなどの7原発を安全点検のため一時停止。その後、脱原発を定めた改正原子力法が同年8月に施行され、ビブリス原発などを再稼働しないことが決まった。RWEは、一時停止決定から脱原発決定までの期間の損害賠償を求める。
ビブリス原発の発電能力は239万4000キロワットで、独最大の原発の一つ。同国のエネルギー最大手エーオンも同様の提訴を検討しているという。