金子札幌市議:会派離脱…「アイヌいない」発言、撤回せず

毎日新聞 2014年09月01日 21時50分(最終更新 09月01日 22時23分)

札幌市議会の金子快之議員=小川祐希撮影
札幌市議会の金子快之議員=小川祐希撮影

 札幌市議会の金子快之(やすゆき)議員(43)=東区選出=は1日、インターネットの短文投稿サイト「ツイッター」に「アイヌ民族なんて、もういない」「利権を行使している」などと書き込んだ問題で、所属会派「自民党・市民会議」の勧告に従って会派を離脱した。

 金子議員は東区内の事務所で同日記者会見し「アイヌ利権問題の本質とアイヌ先住民族論の危険性について、国益を守る立場から広く国民に訴えたい」とし、発言の撤回や謝罪の意向はないことを改めて表明した。会派離脱の理由については「自由に発言できる立場を取り戻すため」と述べ、今後もインターネットなどで意見を発信する考えを示した。

 発言を巡って会派は当初、「個人の見解」として問題視しない方針だったが、8月23日に一転して金子議員に謝罪と撤回を促した。5日後には「アイヌ政策を進める政府・与党の方針と合致しない」などとして会派離脱を勧告。金子議員は同30日、「会派や所属議員、政府に迷惑をかけたことに責任を感じている」との趣旨の文書を会派に郵送した。これを受け会派は1日、市議会事務局に金子議員の離脱を届けた。

 会派の対応が一転したことについて、金子議員は「組織なので決めたことを実行するのは当たり前だが、議論は一切しないとか国が決めたことに地方がそのまま従うという考え方は、地方分権と異なる」と批判した。

 会派の細川正人・政審会長は「発言の撤回を求めてきたが、理解してもらえず残念」と話した。【小川祐希、山下智恵】

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