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 デング熱の国内での感染者が増えている。厚生労働省は1日、計22人確認されたと発表した。いずれも8月中に東京・代々木公園とその周辺に行った人で、厚労省は感染は限定的とみる。しかし、感染者は今後さらに増える可能性がある。ウイルスを媒介するヒトスジシマカの生息域は地球温暖化の影響で広がっており、予断を許さない。

 「数匹か数十匹か分からないが、(ウイルスを持つ蚊が複数)存在するようになり、その後(代々木公園内に)入った人を刺してうつる事態になった」

 東京・霞が関の厚労省で1日に開かれた記者会見。感染者が一気に増えた理由について、中嶋建介・感染症情報管理室長は話した。

 デング熱は人から人へは直接に感染せず、蚊を媒介してうつる。蚊の行動範囲は半径50~100メートルほど。ウイルスを持つ蚊が1匹だけでは、これだけの感染者が出るのは考えにくい。ヒトスジシマカは2~3日おきに吸血し、集団で襲う。厚労省は、海外で感染し日本に入国した人を複数の蚊が刺し、感染が広がったとの見方を示した。

 当初感染が確認された3人が刺された場所は渋谷門付近と特定された。東京都によると、新たに感染が確認された人は、ジョギングや散歩などで公園を利用していた。厚労省によると、公園周辺の歩道を通っただけの人もいるという。

 TBSは1日、情報番組「王様のブランチ」の女性リポーターでタレントの青木英李さん(25)と紗綾さん(20)が、公園でロケ中にデング熱に感染した疑いがあると明らかにした。

 紗綾さんの所属事務所によると、紗綾さんはロケ翌日の8月22日、「両足を32~33カ所蚊に刺された」と話していた。27日に熱が出て、病院で風邪と診断され解熱剤を飲み熱が下がった。ところが、29日夜に再び発熱。「目の奥が痛い」と訴えたため、30日に別の病院へ行きデング熱に感染した疑いがあることがわかった。青木さんも27日に体調不良を訴え、39・8度の高熱が出た。デング熱と診断されて入院した。2人は1日厚労省が発表した19人には含まれていない。