声をかけてから撮る

今、肖像権や盗撮の問題から街中スナップで苦労している人もいると思う。

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私も同じだ。嫌になって人を撮らなくなった事もある。

現にレンズを向ける事も減った。

相手が気づいていない時に撮った方が自然でいいと言う意見も聞く。

だが「盗撮と思われてしまう」と言う不安と戦わないといけない。

それではお声をかけて正面から撮ると言う事はどういうことか。

声をかけず「スナップ」で撮ったときとどう違うのか。

 

私は写真にハマった頃はお花とか落ちているモノ(撮るよね?)とか瓶とか撮ってた。

何でも撮ってた。

 

その後、ライカを持ってから人を撮るようになった。

木村伊兵衛みたいにさっ、すっ、ぱって。

ブレッソンのように鷹の目とか憧れた。

 

同じ頃、ハービー山口さんにも憧れてあんな写真が撮れたら良いなーって思って、

 「peace」買ったなー

[peace]

[peace]

 

 

一時期、正面にハマって、街中で歩いて撮っている時にお声をかけて撮らせてもらっていた頃がある。

今でも減ったけれど、いいなと思えば声をかけて撮らせてもらっている。

相手は驚くけれど大体OKしてくれる。

 

不審がられると言っても「何に使うんですか?」と言われるぐらいで「趣味なんです。」と答えると納得してくれる。

はーい、じゃあ、撮りますね。はい。はい。って負担にならないように2~3枚ぐらい。

その後、立ち話したりして「それでは」って。

プリントをして渡した事もある。すっごい喜ばれた。うれしかった。

 

大体撮り終えるとお互い笑ってる。

この打ち解けて行く感覚がいい。

 

撮った後、使っているカメラの事を聞かれる事も多かった。

古いカメラで撮っている事が多いので、なんですか?そのカメラは?とか。

中判は食い付きよかったね。ローライコードとか。懐かしいって人も一杯いた。

カメラを見て、いいね、そのカメラで撮ってよって言われた事もあった。

ライカを持っていると時々おじさんに「お、ライカかい?それはM3かい?」とか。

外国の人にもカメラをじっと見られて、目が合って笑顔を返したら、

英語で「いいカメラだね!」って言われたのがきっかけになった事もあった。

 

写真はご本人達のネットに使う事の許可を取っていないのでアップできないけれど、凄く充実していた。

ネットにアップする事はご本人の許可を取らないとダメだと思っている。

大体そのハードルは高いと思っているので「ネットなどには出しません」と最初に断ると、「それならいいですよ」となる事も多い。

ネットにアップする事が目的なら正面からの写真は撮るのが難しいと思う。

 (私が撮られる側になったら、ネットにアップするか必ず聞く。もちろん拒否。)

 

私はとにかく人と話すのが好き。あれやこれやと。

「え!?俺?俺、撮るの!?」って驚くおじさんもいたし、

お子さんを連れているお母さんには「えー?いいんですか?」って。

カップルも撮った。大体女性の方が堂々としてるのが印象的。

男子高校生も声かけた。「マジッすか!撮ってください!」って。

おばあちゃんも「わたしかえ〜?」って。

 

海外の人にも声かけた。「May I take a picture of you?」って丸暗記。

後は「野となれ山となれ」だ。

どっか来たの?とか。

相手がしゃべれば適当に合わせる事はできた。

英語ペラペラだったのでどこ?って聞いたらパリから来たって。

公園とか良さげな人を見つけたら、ずいずい寄って行って、

いきなり「Excuse me」って。

当然、相手は「Me?」って言う。「Yes!」と言うと、「Sure!」って。

ツーリストだと聞いたので、「Have a nice trip!」て別れ際に言ったら、

「You too!」って。え?俺もツーリストに見えた?

いや、ただ単にお前もナイスな一日を!って意味かな。

 

仕事をしている人を撮った事もある。

声をかけて 仕事をしている所を撮りたいと言うことを説明したら、

同意してもらえたので話をしながら作業している所を撮影した。

それも後日プリントをして仕事場に届けた。

その時も大変喜ばれてうれしかった。

以来、時々撮らせて頂いたりしている。

声をかけてよかった!

 

おおよそ感覚的に8~9割ぐらいの人がOKしてくれた。

時には若い女性に、しっ、しっ、と、一言も言わず、こちらも見ず、手だけでやられたこともあった。トラウマ。良く覚えてる。

そりゃそうだよなって思う。最初は怪しいもん。

 

それでもプリントして浮かび上がってくる表情を見ていると、その時の気持ちが蘇ってくる。

ドキドキして声かけた事。お互い笑顔で分かれた事。

雰囲気がどんな人だったとか。どんな天気だったとか。

 

とにかく、人と話すのが楽しい。

撮影は二の次でまた今度でも良いぐらい。(え?)

 

声をかけず黙って撮って睨まれた事、怒鳴られた事、詰問された事もある。

私はそれが嫌だった。

辛かった。写真を撮る意欲が奪われる。

相手が気づいていないから自然でいいと思い込んでいた。

 

また、その場に溶け込めとかよく見るが、それは当然だよ。

浮いてどうする。怪しいわ。

普通にしていよう。

 

私は「ノーファインダー」はしない主義。なんか失礼だと思ってる。

あれは線引きするなら「盗撮」だと思ってる。

 

プリントしてみると、断然、声かけて正面から撮らせてもらった方が良い写真だと思った。

カメラ目線。目がイキイキしている。

 

後ろから撮って、本当は正面から撮りたかったなって、悩んでいる人、

盗撮を疑われるんじゃないか、プライバシーの問題、肖像権とか怖いと言う人。

大丈夫かなって思うかも知れないけれど、言ってみよう。

「よろしかったら写真を撮らせてもらえませんか?」って。

そして撮らせてもらったら、「ありがとうございました!」って。

 

絶対に今よりいい写真が撮れると思う。

あの時声をかけた、自分を褒めたくなるほど!

 

私は声をかけて撮らせてもらった事がきっかけで素晴らしい人とも出会えた。

声をかけて写真を撮ると言う事はとても良い事だと思う。

 

え?私がもし声をかけられたら?

喜んでポーズするよ。

ギニュー特戦隊のポーズ。ギニューでいい?


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