盲導犬ユーザーと盲導犬の写真8枚

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盲導犬を傷つける卑劣な行為を受けての緊急声明

 今回明らかになりました、誘導中の盲導犬を傷つける卑劣な行為 (2014年7月埼玉で発生) を知り、私たちユーザーは強い怒りと恐怖に震える思いでいっぱいです。
 被害を受けた盲導犬の傷が1日も早く回復し、また、被害者ユーザーの方の心の傷が少しでも小さくなり、パートナーと共に再び穏やかに歩んでいただけることを、心から願うしだいです。
 このような出来事が二度と起こらない社会を目指すためにも、私たちは次のようなことを望みます。

1.再発防止対策の検討
 このような卑劣な行為を行った加害者が今もどこかにいると思うことは、社会的弱者の外出にとっての大きな脅威です。盲導犬やユーザーが暴力的行為を受けたり、いたずらをされるケースは少なくありません。
 そうした行為の抑止のためにも、今回の加害者が1日も早く検挙され、しかるべき処分を受けることを心から願うと共に、再発防止対策の検討を願います。

2.補助犬を傷つける行為への罰則の検討
 現状の刑法における「器物損壊」と言う言葉で、私たちのからだの一部とも言える盲導犬が1つの「物」として扱われてしまうことに、やり場のない思いを感じています。
 盲導犬を傷つける行為は、共に歩く視覚障害者を傷つけるのと同じことです。
 「動物の愛護及び管理に関する法律第44条」の厳格な適用を求めると共に、刑法における人間に対する傷害罪の適応や、身体障害者補助犬法により明確な厳しい罰則を設けるなどを含め、補助犬を傷つける行為に対する厳罰の法制化の検討を望みます。

3.国民に正しい理解・啓発を
 一部報道において、「盲導犬は何があっても声をあげないように訓練されている」と言う論調がなされています。これを受けて、多くのユーザーが街中で「抑圧されて働かされる盲導犬は かわいそう」と言う厳しい言葉を浴びせられています。
 実際にはそのような訓練は現在行われていません。もしもそのような訓練がなされているとするならば それは虐待と捕らえられても いたしかたないことです。
 盲導犬は、生まれたその時から多くのボランティアや関係者、そして その生涯の大半を共に過ごす私たちユーザーから精一杯の愛情と良質な飼育環境を与えられ、人間を100パーセント信頼して生きています。だからこそ彼らは攻撃的行動に出たり、むやみに声をあげる必要はないのです。彼らは抑制されることにより声をあげないのではなく、人間を信頼しているからこそ声をあげないのです。
 今回の犯罪は、こんなに純粋に人を信頼してくれている盲導犬を裏切る卑劣な行為なのです。
 盲導犬が訓練によって我慢を強要されて働かされているような誤解を生むことを、私たちは望みません。伝えるべきは、「傷つけられても声もあげず けなげに働く盲導犬の姿」ではなく、「十分に身を守る術を持たぬ障害者と、そのパートナーを襲う卑劣な加害者の姿」ではないでしょうか?

4.思いやりを持って見守りを
 悲しいことに、こうして卑劣な犯罪が報道された後に、模倣犯・愉快犯の出現するケースが見受けられます。私たちにとって これは何よりの脅威です。
 私たち盲導犬ユーザーを始めとした こども・高齢者・障害者などの社会的弱者が犯罪被害や 街の中に潜む危険から守られるためには、周囲の方々の温かな見守りの目が最も重要になると思います。
  今回の事件の報道をきっかけに、日常生活の中で目にする社会的弱者の皆さんに対する思いやりある暖かなたくさんの見守りの目が広がり、緊急時に速やかに助けの手が差し伸べられる社会になって行くことこそが、犯罪をなくし、安心して生活できるための環境づくりに重要な要素となると思います。
  全ての人々の思いやりある心の絆で、安心・安全で平和な日本を作って行きましょう。


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