ピピピピピがブログを書きますよ。

運動もせず、ヘタレ顔でキーボードに手を置くピピピピピがブログを書く。野人の如き豪快さが欲しいね。

弟に、全ての分野で負けている事がコンプレックスで生きて来ました

外出なんてしなくたって、日々負けていた

兄弟のいる方なら強弱はあるだろうが、多少なりとも理解してくれる事だろう。

「テレビゲームは僕が教えてやったのに、軽々と飛び越えて空高いステージに辿り着きやがって」
無力感がのし掛かってきて、床に倒れ込んで顔面を打ってしまう程のコンプレックスだ。
恋愛でもそう。
僕は、「童貞うっうっ……」と号泣する日々を送り、やっとこさ25歳で妥協恋愛を果たした。
弟はと言えば、ゲームに明け暮れてはタバコを吸って酒を飲み、疲れては仮病を使って学校を休む不健康な日々を送っていたのに、16歳でラブラブ恋愛を掴み取る。
どうして僕の方が早く生まれて来たのに、素晴らしき日々が訪れるのは弟の方が先なのだろうか。
鬱憤が積み重なり、僕の感情の居場所はなくなった。
いつしか無表情がスタンダードになってしまった僕は、顔の筋をぴくりともせずに、机にスピーカーを叩きつけたり、本を切り裂いて撒き散らす。
完全犯罪について出来うる限り調べ、弟を消し去ろうとしていたぐらいだ。
それほどに“弟に負けているコンプレックス”が猛烈なスピードで僕の心身を食いつぶそうとしていた。

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血液は同じじゃないのか? 同じ血が流れているはずだろ

身長も、学力も、適応力も、精神力も、集中力も、もうぜんぶゼンブ全部負けている。
弟の目から見れば、僕は敗残者でしかなく、島流しでもして捨て去りたい存在なのだ。
結婚も間近な弟がいる人間界で、僕は妖怪のように欲望を垂れ流して歩いている。血の涙を流しながら。
凄絶なる嘔吐を延々と続け、喉は炎症を起こし、老人への道をぷかぷかと苦しみの流れに任せながら進んでいるのだ。
弟よ。いつから僕と言う生ゴミを処分した。気色悪い体液を放つバッタを握りつぶした。弱々しく燃えるロウソクの炎を打ち消した。
小学生の頃は、僕が優位に立つ美しい時代だったではないか。なぜ下克上を果たす必要があったのだ。
兄としての権力を奪い取り、足蹴りにした後に、自分だけ青い鳥を捕獲した。
「僕も。僕にも青い鳥を!」と叫んで、追いかけるのに、僕はいつまでたっても……。
今となっては単なる青い鳥症候群になってしまった。
やりたい事は、姑の愚痴よりも多くあるのに何事も中途半端だ。
透き通るプールの中に痰を吐くような日々。汚しては、また汚し、片付けず、また汚し。汚れ作品を作ろうとしている。
あの時負けた記憶が蘇り、大火傷さながらの熱さが胸を襲うんだ。
天井のシミを数えながら思う事がある。「あれは弟が僕を叩きのめした証明」なんだと。
コンプレックスは消えたか。
日曜日は昨日で終わったか。
安らぎは一瞬だ。
コンプレックスはまたやって来る。

刻まれた設計図・DNAは変更不可能なのか

僕が500時間掛けなきゃ辿り着けない山の頂上に、弟は30時間あれば到着する。
僕の前世がママチャリだとすれば、弟はヘリコプターなのだろう。
比較ばかりの、世間体に縛られた人間ではないと思うが、どうも身内に対してのライバル意識は捨てられない。
経済的にも女性関係的にも、数倍の差をつけなくては、一生消し去る事の出来ないコンプレックスだ。
「弟め、弟め」と怨念を振りまき続けていた結果、弟の生き霊を誘発してしまったらしく、金縛りに遭うと良く襲われる。
オークションで藁人形セットを落札しても虚しいだけであるし、カラオケでマイクに向かい呪詛を吐き出しても滑稽なだけだ。
口の中に虫の死骸がいるような感覚がいつもしているのに、吐き出せない。
20代後半。もう良い大人なのだ。耐えるしかない。真冬の山籠もりのようだ。苦行。
もう首を捻る事も出来なくなった。何故なら、捻る瞬間に弟の生き霊が力を加えて来て、そのまま骨が折れて人生が終了してしまうのではないかと危惧しているからだ。

きっといつまでも僕はコンプレックスを抱き続ける

今日も考える。
明日も思い浮かべる。
棺桶に入る前日も回想する。
天国に行っても、どんどんどんどんどんどんどんどんどんっと、あの世へ続く階段を鬼の形相で弟が走ってくる。
現世を脱出しても尚、コンプレックスを植え付けられてしまうのだ。
もう終わりだ。世紀末だ。隕石の衝突だ。
音楽も、小鳥の囀りも、社長の説教も。何もかもが弟の戯れ言に聞こえてくる。
うるさい。不協和音だ!
徐々にボリュームの上がる声。耳鳴りだ。シンバルのがしゃんがしゃんと鳴る音が、眠りを妨げる。
金縛り、耳鳴り、不思議の国のアリス症候群。
弟があらゆる苦痛の種をポケットに入れて走ってくるのだ。来てる来てる。
キーボードがぬるっとしている。僕の心臓だ。
マウスがべたっとしている。僕の血だ。
画面に何か映っている。僕の死体だ。
もう終わりだ。
弟のせいでコンプレックスが植え付けられ、寿命が減り、あの世への高速ジェット機に乗せられた。
ガラスは割れない、緊急ボタンもない、泣き叫ぶ体力は残っちゃいない。
頑張れ。
頑張りすぎるな。
両極端の答えが注がれるこんな世界で、僕は目を閉じるしかない。
弟にまた負けた……。

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なんて言う、コンプレックスの強い人間は、人生辛いだろうなと思って書いた

身内だろうと、弟は弟であり、僕は僕だ。
身軽に生きれば良い。
青い鳥なんて捕獲しなくたって問題なしだ。
その辺にいる小鳥を青ペンキで塗れば良いだけである。
ちんけなプライドを育てている暇があれば、砂浜にでも行って転がった方が良い。
人生なんてのは、本気になればいつでもシャットダウン出来るのだ。
だから、肩の力を抜いて大きく息を吸い込んで、世界の空気を全身で感じよう。
きっと愉快になって踊り明かしたい気分になるはずさ。
コンプレックスなんてあるようでないものだ。
忘れてしまえば良い。酔いどれているかの様に人生を一歩ずつ歩んでいけば良い。
誰も嘲笑しないし、傷をつけようとしないし、大事なものを奪おうとなんてしないんだ。

人生は最高だ!

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なんて言う、強がりを吐きながら、僕は今日も青ざめるしかない

弟が後ろにいる。天井にだっている。四面楚歌だ。
今日も殴られて負ける。刺されて負ける。骨まで砕かれて負ける。
“無様な兄貴の泣き叫び”って本でも出版したいのではないかと思う程に、殴っては写真撮影、蹴り飛ばしては写真撮影。やられ続けているんだ。
散らばる僕の人肉を掻き分けて逃げるのに、まだ追いかけてくる弟。
切り刻まれて、僕はどんどん小さくなって、あーまた大きさでも負けてる。
涙が、絶望の味を通り越して無味無臭で、なんの為に流しているのだろうと更なる辛みが降り注ぐ。
肉を剥がされて、血を吸い取られて、もう僕は人差し指の爪ぐらいの大きさになってしまった。
ぱくんっと食べられて、弟の中に入ってしまう。
これから僕は弟だ。
もう誰にも兄貴なんて言わせないし、コンプレックスなんて持たないし、弟に負けないんだ……。

 

なんて言う、弟コンプレックスの話である。

 

青い鳥

青い鳥