火曜「学ぶ」【うちら文化部】
大麻高(江別市) 演劇部
■「自分史」つくり役に迫る
クラスメートの暴力事件をめぐり、放課後の教室で繰り広げられた裁判ごっこ。いじめが絡んだ事件の真相が明らかになるにつれて、生徒たちの感情は揺れていく。中学時代も高校生になったいまも、殴ってしまった男子生徒を救えなかった主人公の聡子はつぶやく。「裁かれるのは私なんだよ――」
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6年ぶり2回目の出場となる全国高校総合文化祭で、江別市の大麻(おおあさ)高演劇部が演じる劇の名は「教室裁判」。裁判員制度を学ぶ劇の練習のために放課後に残った生徒たちが、校内で起きた事件の“裁判”を始める。職員会議で教師が決めた処分と、生徒が導き出した判決の違い。裁判員裁判の難しさや、いじめの問題も考えさせられるストーリーは、英語教諭の山崎公博顧問(46)の創作だ。
役作りのために部員は「自分史」を作る。登場人物の性格、趣味、友人関係、生まれてからの出来事までを細かく部員同士で話し合って決めていく。
事件を起こした男子生徒は、中学時代も聡子と同じクラスで、当時いじめに遭っていた聡子の親友をかばったことからいじめの標的になった。聡子役の赤坂佳保さん(3年)の自分史には、この男子について「『ごめんね』とか『ありがとう』と言いたいけれど、話しかけられない。いや、勇気がないだけかも」。その思いを舞台で表す。
総文祭は演技が60分以内、大道具などの準備と撤去は計30分以内に終わらせるのが規則だ。限られた時間で組む大道具も生徒の作品。役もこなす石川東(あずま)君(2年)は大道具チーフで、「机とイス、ゴミ箱以外は出番のない時にみんなで作りました」。教卓なども運びやすいように軽い材質で作り上げた。
今年は1年生の女子9人が加わり、部員は22人に。山崎教諭が大麻高に赴任した2004年は、3年生と1年生が3人ずつだった。「あの頃を考えると、20人以上というのは信じられない」と感慨深げに言う。
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新人にも舞台経験を積ませようと、総文祭前にある7月の学校祭では別の劇「かくれんぼ」も演じる。大忙しだが、生徒同士で「セリフを発する時は顔が見えるように」などと指摘し合いながら完成度を高める。
21日午後6時半からは、総文祭出場を記念して江別市民文化ホール「えぽあホール」で記念公演(入場無料)も開き、一般の人たちにも「教室裁判」を披露する。問い合わせは同校(011・387・1661)の山崎教諭へ。
出場12校の総文祭で大麻高の出番は7月29日。東千智(あずまちさと)部長(3年)は「様々な問題や思いを感じ取って欲しい。大麻らしい演技で感動を届けたい」。
(上山浩也)
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《がっこうじまん》
■大麻高校
校訓は「敬愛」。昨年度から道の道徳教育推進校。1984年の開校以来、「進学」「しつけ」「部活動」を教育の3本柱に掲げて実践している。2年前に単位制に移行し、生徒の進路希望に応じた教育活動で、進学では道内の伝統校に引けを取らない実績を上げている。
今年度、「学校開放講座」を始め、矢倉芳則校長たちが講師となり、哲学や数学、文学をテーマに一般向けの講座を開き、地域の教育活動にも貢献する。
部活動の加入率は8割以上。OBにプロバスケットボールbjリーグで昨シーズンMVPになった城宝匡史選手がいる。
◆次回は北見商業高校(北見市)の吹奏楽局が登場します。…
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